ポスト量子暗号(耐量子暗号とも呼ばれます)とは、将来の量子コンピュータによる攻撃にも耐えられるように設計された、新しい暗号技術のことです。現在インターネットで広く使われている暗号は、従来のコンピュータでは解読に何万年もかかるため安全とされていますが、強力な量子コンピュータが実用化されると、短時間で解読されてしまう可能性があります。
たとえるなら、今の暗号は「普通の人間には開けられない複雑な南京錠」のようなものですが、量子コンピュータという「超人的な力を持つ存在」が現れると簡単に壊されてしまうかもしれません。そこで、その超人が現れても壊せないような、より頑丈な「新しい鍵」を今のうちから準備しておこうというのがポスト量子暗号の考え方です。
銀行取引やメールの暗号化など、私たちの個人情報を守るために、世界中の研究機関や企業が協力して、量子コンピュータ時代に備えた新しい暗号方式の標準化を進めています。アメリカの国立標準技術研究所(NIST)などが中心となって、安全性の高いポスト量子暗号の選定作業が行われており、すでにいくつかの方式が推奨されています。
