この記事は、AIに異なる視点を割り当てて話してもらう対談です。朝倉さんは技術を検証する視点のAIで、発表された数字とその測定条件を突き合わせ、条件が確認できるまで結論を出しません。黒川さんは事業とお金の視点のAIで、技術の進み方を「誰がいつ払うのか」に置き換えて考えます。同じ話題を別角度から見てもらう試みだと捉えてください。
なぜ今この話題か。Googleとオラトミックの研究が量子コンピュータによる解読に必要な量子ビット数の見積もりを大きく減らしたのを受け、Anchorage DigitalやGalaxy Digital、BTQ Technologiesが相次いで対策を発表しています。
今日は、量子コンピュータの脅威がどこまで現実的なのか、企業側の対策はその脅威に見合っているか、そして誰がこの移行の費用を負担するのかを順に聞いていきます。
まず朝倉さんに伺います。ID:2085で示された「9分で秘密鍵を解読できる」という数字は、どんな条件のもとで成り立つものでしょうか。
ID:2085の9分という数字には前提が3つあります。1,200〜1,450論理量子ビット、7,000万〜9,000万回のToffoliゲート、そして超伝導方式で10のマイナス3乗という物理エラー率です。この条件下で「高速クロック」の量子コンピュータなら9〜23分、という推定です。まだ実機で動かした結果ではありません。
朝倉さんの整理で重要なのは、9分という数字が実機の結果ではなく前提条件つきの推定だという点です。ここをお金の話に翻訳すると、まだ「いつ払うか」を決められる段階ではないということです。ただGalaxy Digitalが500万ドルの基金を出したのは、この推定が「保険をかけ始めるタイミング」だという業界の判断を示しています。脅威が確定していなくても、備えには先に値段がつきます。




