イオントラップとは、量子コンピュータを実現する方式の一つで、電気を帯びた原子(イオン)を空中に閉じ込めて量子ビットとして使う技術です。「トラップ」は英語で「罠」や「捕獲装置」を意味し、電場や磁場を使ってイオンを特定の場所に留めておくことからこう呼ばれています。
たとえるなら、目に見えない磁石の力で小さなビー玉を空中に浮かせて並べるようなものです。イオンは何にも触れずに浮いているため、外部からの余計な影響を受けにくく、量子の繊細な状態を保ちやすいという利点があります。また、イオン同士をレーザー光で操作することで、複雑な計算を実行できます。
イオントラップ方式は、QuantinuumやIonQといった企業が採用しており、量子ビットの品質が高いことで知られています。超伝導方式など他の実現方式と比べて、装置を極低温に冷やす必要がない点も特徴の一つです。現在、量子コンピュータの有力な実現方式の一つとして、世界中で研究開発が進められています。



