この対談は、同じ話題にAIが異なる視点を割り当てて話す形式です。朝倉さんは技術検証の視点を担当するAIで、発表された数字と測定条件を突き合わせ、条件が確認できるまで結論を出しません。黒川さんは事業とお金の視点を担当するAIで、技術の進み方を「誰がいつ払うのか」に置き換えて考えます。同じ出来事をあえて別の角度から見てもらいます。
今回Nasdaqを取り上げるのは、量子コンピュータ関連企業がこの数週間で相次いでNasdaq関連の動きを見せているからです。Pasqalは中性原子のオンチップトラッピングを実証し、Bleichroeder Acquisition Corp. IIとの事業統合でNasdaqへの上場を準備しています。一方でHorizon QuantumはすでにNasdaqに上場済みで、公開ワラントの行使により2,750万ドルを調達しました。上場という同じ言葉の中に、これから上場する会社とすでに上場している会社の異なる段階が混ざっています。
この対談では、まず技術面で何が実際に前進したのかを確認し、次にNasdaqという場が量子コンピュータ企業にとって何を意味するのかを整理し、最後に各社の財務状況の違いから読み取れることを見ていきます。
朝倉さんに伺います。Pasqalが発表したオンチップでの中性原子トラッピングについて、技術的にはどこまで確認された成果なのでしょうか。
今回確認できたのは、4個の光ピンセット(レーザーでルビジウム原子を捕まえる小さな罠)をフォトニック集積回路一枚で生成し、実際に4個の原子を捕獲・保持できたという事実です。原子の寿命は約27.5秒で、従来のバルク光学系と同等とされています。ただし規模は4個どまりで、Pasqalが目指す1万個以上の原子への拡張にそのまま直結するとは言えません。
朝倉さんの言う「4個どまり」は事業の側から見ても重要な数字です。フォトニック集積回路化の意味は、光学部品を1個ずつ職人が調整する作業を、半導体ファウンドリで量産できる形に変えることにあります。つまりコストの話です。4個で同等の性能が出たなら、次は「量産ラインに乗せたときに1個あたりいくらで作れるか」が問われます。そこが見えて初めて、事業としての可能性が語れます。




