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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 13:30(日本時間)
%は前日比・グラフは直近10営業日の推移 — 株価とニュースの突き合わせ / 業界の関係図
クオンタムビュー

【クオンタムビュー】8月16日|量子業界、物差し・地図・土台づくりが並走

要約

量子最適化の共通ベンチマーク「QOBLIB」公開、中性原子量子コンピュータの実用化ロードマップ、Quantinuumとシンガポール工科大学の人材育成提携という3本を詳しく解説。IBM Quantum主導の1264問題集や24機関の投稿状況にも触れます。

有沢AI・進行

8月16日のクオンタムビュー、始まります。この24時間に入ってきた量子コンピュータ関連のニュースは全部で10本です。まずは10本をざっと紹介して、そのあと気になったものを久保田さんと詳しく見ていきます。

有沢AI・進行

まず理論・アルゴリズム面の動きから4本です。1ノードに核スピン1個だけ——「蒸留いらず」で実現する耐障害性分散量子計算、ノード間通信のエラーを偏らせて抑える設計により、分散量子計算に必須だった「蒸留」という処理を不要にする手法が提案されました。原子核を量子コンピュータで解く:耐障害性アルゴリズムの初のリソース見積もり、原子核の構造計算に必要な計算資源を、耐障害性量子コンピュータ向けに初めて具体的に見積もった研究です。散逸とFloquet制御を組み合わせて遠隔論理量子ビットのもつれを安定化する新プロトコル、シカゴ大学のグループが、離れた論理量子ビット同士の「もつれ」を安定させる新しいプロトコルを提案しました。偏ったノイズを持つ量子ビットを最大限に活かす耐障害性の道筋——「誤りの階層」を利用した効率的な量子誤り訂正、特定の種類のエラーが起きやすい量子ビットに合わせた、効率的な誤り訂正の手法を体系的に整理したレビュー論文です。

続いてハードウェアと検証に関する動きが2本です。同じ種類のイオンで冷却する新手法——マイクロ波駆動で光学系を簡素化するイオントラップ量子計算技術、イオントラップ方式で、従来2種類必要だったイオンを1種類にして冷却する手法が実証されました。77量子ビットの量子化学実験を古典計算で数十秒で再現—ユニタリークラスターJastrow回路の効率的古典シミュレーション、77量子ビットを使った量子化学実験の結果を、古典コンピュータがノートPCで1分未満に再現したという検証結果です。

そして業界動向・産業ニュースが4本です。グローバルコンソーシアムがQuantum Optimization Benchmarking Library (QOBLIB)を開始し、量子優位性への道筋を追跡、IBM Quantumなどの国際コンソーシアムが、量子最適化の性能を測る共通のベンチマーク集を公開しました。中性原子量子コンピュータの実用化ロードマップ:ハードウェアから分散計算まで包括的戦略を提示、中性原子方式の量子コンピュータについて、実用化に向けたハードウェアと理論の戦略をまとめたロードマップ論文が発表されました。Quantinuumがシンガポールの将来の量子労働力の育成を支援するためSingapore Institute of Technologyと提携、Quantinuumがシンガポール工科大学と提携し、量子分野の人材育成プログラムを共同開発します。Who's News: PsiQuantum、EigenQ、Qunova Computing、Optica Quantumにおける戦略的人事、PsiQuantum、EigenQ、Qunova Computing、Optica Quantumの4社で、経営陣や編集体制の人事が発表されました。

以上10本です。この中から今日は、QOBLIB、中性原子量子コンピュータのロードマップ、Quantinuumとシンガポール工科大学の提携の3本を詳しく見ていきます。まずはQOBLIBからです。

有沢AI・進行

グローバルコンソーシアムがQuantum Optimization Benchmarking Library (QOBLIB)を開始し、量子優位性への道筋を追跡という発表です。IBM Quantumなどが主導する国際コンソーシアムが、10種類のNP困難問題にわたる1264個の問題インスタンスを収めたベンチマーク集「QOBLIB」を公開しました。立ち上げ時点で24機関から2600件を超える投稿が集まったということです。久保田さん、このQOBLIBというベンチマーク集、そもそも何のために作られたものなのか、教えていただけますか。

久保田AI・解説

一言で言うと、量子と古典を同じ土俵で比べるための「共通の物差し」ができた、ということです。これまでは量子アルゴリズムが優位だと主張しても、比較相手の古典ソルバーの選び方や条件が発表ごとにバラバラで、検証が難しい状態でした。QOBLIBは同じ問題集合と最良解の記録を全員で共有する仕組みです。実際、古典ソルバーの改良でMarket Splitという問題の最大求解サイズが60変数から110変数に伸びたと記録されています。まだ示されていないのは、この物差しの上で量子側が実際に優位を取った具体例です。次にどこかのチームがこのライブラリの問題で明確に古典を上回れば、それが最初の決定的な一歩になります。

有沢AI・進行

久保田さんの言う「共通の物差し」というのは、どのチームが計算しても同じ条件で比べられる、いわば統一ルールの試験問題集ということですね。つまり、量子が古典より優れていると言うためには、まずこの同じ問題集の上で結果を出す必要がある、ということですね。

有沢AI・進行

中性原子量子コンピュータの実用化ロードマップ:ハードウェアから分散計算まで包括的戦略を提示という論文です。中性原子方式の量子コンピュータについて、規模拡大や高速読み出し、誤り訂正、分散量子計算まで含めた実用化への戦略を、多数の著名研究者が集まってまとめたロードマップとなっています。久保田さん、このロードマップが掲げる「実用的な量子優位性」というのは、これまで言われてきた優位性の主張とはどう違うのでしょうか。

久保田AI・解説

一言で言うと、これは「今できること」の宣言ではなく「今後何を優先すべきか」の地図です。理論上の優位性ではなく、実際に役立つ形で古典を超える状態を目標に据え、規模拡大や高速読み出し、誤り訂正、分散計算までを一枚の計画に並べた点が変わったところです。まだ示されていないのは、この地図通りに進んだ結果としての具体的な数値目標や達成時期です。先ほどのQOBLIBのように、比較の物差しが整った上でこの計画が数字を出せるかが次の見どころになります。

有沢AI・進行

久保田さんの言う「地図」というのは、いつまでに何をやるという工程表ではなく、優先して取り組むべき課題を並べた見取り図ということですね。つまり、このロードマップはまだ達成時期や数値目標を示すものではなく、今後の優先順位を示したにとどまる、ということですね。

有沢AI・進行

Quantinuumがシンガポールの将来の量子労働力の育成を支援するためSingapore Institute of Technologyと提携という発表です。Quantinuumがシンガポール工科大学と覚書を締結し、学生や社会人向けの実践的な訓練プログラムを共同開発します。シンガポールでのHelios量子プロセッサ展開計画と連携した取り組みです。久保田さん、この提携は人材育成という点で、これまでの業界の動きと比べてどんな意味を持つのでしょうか。

久保田AI・解説

一言で言うと、Heliosという装置を置くだけでなく、それを動かす人をシンガポールで育てる、という宣言です。実際に変わるのは、大学のカリキュラムにQuantinuumの量子ソフトウェアやシミュレータへの直接アクセスが組み込まれ、学生が座学だけでなく実機に近い環境で訓練を受けられる点です。まだ示されていないのは、このプログラムから何人が実際に育ち、地元の開発力として業界に還元されるかという実績です。先ほどの中性原子のロードマップが技術の優先順位を示す地図だとすれば、こちらはその技術を動かす人材をどう確保するかという、別の意味での土台づくりだと見ています。

有沢AI・進行

久保田さんの言う「土台づくり」というのは、装置を導入するだけでなく、それを使いこなせる技術者をシンガポール国内で育てる仕組みづくりということですね。つまり、今回の提携はHeliosの展開と並行して、地元の人材育成という別の課題に取り組むものだ、ということですね。

久保田AI・解説

今日の3本は、正直ばらばらの動きです。QOBLIBは比較の物差し作り、中性原子のロードマップは技術の優先順位の整理、Quantinuumの提携は人材という土台づくりで、狙っている層がそれぞれ違います。ただ共通しているのは、どれも「まだ数字や実績はこれから」という段階にあることです。次に見ておくべきは、このQOBLIBの問題集の上で、どこかのチームが実際に古典を上回る結果を出すかどうかだと思います。

有沢AI・進行

QOBLIBという共通の物差しの上で、量子が古典を上回る瞬間を待ちたいと思います。明日の夜もこの時間に、クオンタムビューでお会いしましょう。

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