Alibaba は2026年8月15日、同社の大規模言語モデル「Qwen」の累計ダウンロードが30億回に達したと、Bloomberg 向けのメールで明らかにしたとされています。同社によると、この30億回は6か月間の数字です。一方、Hugging Face が2026年8月14日に公開したレポートState of Open Models: Summer 2026 Observationsは、ダウンロードの中身を集計しています。そこから見えるのは、大きいモデルほど多く使われるという見方とは食い違う分布です。なお本記事は2026年8月17日時点の情報にもとづきます。
まず規模です。同レポートによると、2026年のダウンロード数は Qwen が20億4500万回でした。フロンティアモデル、つまり性能の最先端を狙う大型モデルだけを出す戦略をとる Moonshot は3700万回で、Qwen の約55分の1にあたります。同じ集計で BAAI は5億1900万回、Google は4億1800万回、OpenAI は3億2900万回でした。ローカル実行向けの GGUF 形式に限った2026年7月の月間ダウンロードは、Qwen が3960万回、Gemma が2080万回、Llama が750万回だったとしています。
次に、実際に落とされているモデルの大きさです。同レポートによると、これまでの累計ダウンロードのうち83%は10億パラメータ未満のモデルでした。1000億パラメータを超えるモデルは1%です。2026年に限っても、700億パラメータ超は全体の3%にとどまります。Qwen のダウンロードでは10〜80億が47%、80〜700億が34%を占めます。モデルの大きさを競う話と、どの大きさが選ばれているかは、別の場所にあることになります。
派生モデル、つまり公開モデルを元に作り直されたものの数も示されています。Qwen 系は151,448リポジトリ、Google 系は82,506リポジトリです。Qwen 系は Meta 全体の2.6倍、Llama に限ると4.7倍にあたるとしています。2026年1〜7月の増加ペースは1日あたり180〜210リポジトリです。ライセンスの条件も対照的です。中国企業が公開した200億パラメータ超のモデル178本では、Apache 2.0 が59%、MIT が22%を占めます。米国勢は Apache または MIT が合わせて29%、独自条件が41%、ライセンス無しが30%でした。
Hugging Face Hub 全体も広がっています。2026年1〜7月に、公開モデルのリポジトリは243万から296万へ、データセットは71.1万から100万へ、Spaces は100万から144万へ増えました。また、人に代わって処理を進めるプログラムである「エージェント」が、Hub上の利用者として初めて1位になったとしています。
ただし、これらの数字で分からないこともあります。ダウンロード数は、そのモデルが実際に動かされた回数ではありません。同レポートによると、85.6%のモデルは累計ダウンロードが200回未満です。そして1.5%のリポジトリが、全ダウンロードの99.2%を占めています。



