量子コンピュータの方式のうち、いま勢いがあるのはどれか。この問いに一つの答えを出すことはできませんが、角度を変えて数えることはできます。今回は三つの物差しを用意しました。この媒体が直近6か月で各方式に触れた記事の本数、arXivに出た論文のうちこの媒体が解説した本数、そして上場企業の直近12か月の株価騰落率です。集計日は2026年9月1日です。総合順位は作りません。話題の量と研究の動きと市場の値付けは、単位も出どころも違うものだからです。順位が入れ替わる場所こそが、この企画で見ていただきたいところです。
この媒体が直近に公開した記事のうち、その方式に触れたものの本数。1本の記事が複数の方式に触れていれば、そのどちらにも数える。業界でどれだけ話題になっているかの目安。
まず話題の量です。中性原子が84本で最も多く、超伝導が81本でほぼ並びます。イオントラップが61本、フォトニックが58本と続き、シリコンスピンが32本、アニーリングが15本、トポロジカルが6本という並びになりました。上位二つの差はわずかで、順位というより同じ帯に入っていると読むほうが実態に近いかもしれません。ただしここで強く申し上げておきたいのは、この本数はあくまで「この媒体が取り上げた回数」であって、方式の優劣でも技術的な成熟度でもないということです。編集部の関心、発表のタイミング、企業の広報の活発さがそのまま数に出ます。1本の記事が複数の方式に触れていれば両方に数えているので、比較記事が多い時期には上位が揃って伸びる性質もあります。



