量子コンピュータは非常にデリケートな装置で、量子ビットはわずかな熱や振動、電磁波の影響でもすぐに情報が乱れてしまいます。この乱れを「ノイズ」や「エラー」と呼びますが、これを放置すると計算結果が信用できないものになってしまいます。
普通のコンピュータでも通信中にデータが壊れることがありますが、同じデータを複数回送って多数決を取るなどの方法でエラーを直すことができます。量子誤り訂正も似たような考え方で、1つの情報を複数の量子ビットに分散して記録し、エラーが起きてもその影響を検出し修正できるようにする技術です。ただし量子の世界では観測すると状態が壊れてしまうため、工夫を凝らした特殊な方法が必要になります。
現在の量子コンピュータ業界では、この量子誤り訂正をいかに効率よく実現するかが最大の課題の一つとされています。ニュースで「エラー訂正」「フォールトトレラント」といった言葉が出てきたら、それは量子コンピュータを実用レベルまで信頼できるものにするための研究だと理解すると分かりやすいでしょう。



