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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 13:30(日本時間)
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Photo: Arseny Togulev / Unsplash

AI

NVIDIA、話者分離モデル「Nemotron 3 Diarization」を公開——最大8人・0.32秒遅延で誤り率14.72%、首位は英語22時間の評価

要約

NVIDIAが2026年9月23日、音声の「誰がいつ話したか」を判定する1億パラメータのモデル「Nemotron 3 Diarization」を公開しました。最大8人、遅延0.32秒でも使え、Voice Arenaの順位表で誤り率14.72%の1位です。ただしその評価は英語の約22時間の音声によるもので、文字起こしは別のモデルと組み合わせて行います。

NVIDIAが2026年9月23日、話者分離(ダイアライゼーション)モデル Nemotron 3 Diarization を公開しました。音声の中で「いつ、誰が話したか」を判定するモデルで、最大8人までの話者に対応し、ストリーミング(逐次)処理とまとめて処理するオフラインの両方で動きます。パラメータ数は 1億(100M)、ライセンスは商用利用もできる OpenMDW-1.1 です。

何をするモデルか

このモデルが出すのは、話者ごとに「話している区間」です。10ミリ秒ごとに、8人ぶんの「その人が話している確率」を0〜1で出します。発言の中身を文字にする機能は持っていません。

NVIDIAは、話者の区間を別の音声認識(ASR)モデルと組み合わせれば「誰が何を言ったか」付きの書き起こしが作れる、と説明しています。組み合わせる相手として、同社の Nemotron ASR 3.5 と Parakeet TDT 0.6B v3 の名前を挙げています。

話者はあらかじめ声を登録しておく必要はなく、出てきた順に区別されます。

公表されている数字

公開日2026年9月23日
用途話者分離(誰がいつ話したか)。文字起こしは別のモデルで行う
最大話者数8人
パラメータ数1億(100M)
構造Sortformer。31層のTransformerエンコーダ(RoPE付き)
入力16kHz・モノラルの音声(wav、flac、opus、mp3)
出力10ミリ秒ごとの、8人ぶんの発話確率
遅延の設定30.4秒(オフライン)、1.04秒、0.64秒、0.32秒 の4段階
学習データ実際の会話 約1万時間 + 合成した多人数の会話 82,611時間
動作環境Linux、NVIDIAのAmpere・Ada Lovelace・Hopper・Blackwell世代のGPU、NeMo
ライセンスOpenMDW-1.1(商用利用可)

評価の数字は2種類ある

第三者のベンチマーク:Voice Arena

Voice Arenaが公開している話者分離の順位表「Diarization-Bench」で、Nemotron 3 Diarization は 話者分離の誤り率(DER)14.72% で1位です。2位はブルノ工科大学(BUT FIT)の DiariZen で 19.34%、NVIDIAは「次点より約24%低い」としています((19.34−14.72)÷19.34で23.9%と、計算は合います)。NVIDIAの前のモデル Streaming Sortformer 4spk v2 は 24.61% でした。NVIDIAは、12のシステムのうち1位だったとしています。

このベンチマークの音声は、英語の139の会話、合計21.97時間で、1つの会話の話者は2〜8人、対面が115、オンラインが24です。正解は人が確かめたもの1つです。つまり、この1位は英語の会議・会話の音声での結果です。

NVIDIA自身の評価:DIHARD III

モデルの説明書には、話者分離の標準的なデータセット DIHARD III での、NVIDIA自身の測定が載っています。

モデル遅延DER(話者1〜4人)DER(5〜9人)DER(全体)
前のモデル(4spk-v2.1)30.4秒13.9840.2119.09
Nemotron 3 Diarization30.4秒9.1327.5812.73
Nemotron 3 Diarization0.32秒9.6929.4913.55

遅延を30.4秒から0.32秒まで縮めても、誤り率の悪化は全体で0.82ポイントにとどまっています。一方、話者が5人以上になると誤り率は27〜29%台に上がり、1〜4人のときの3倍ほどになります。

読みどころ

リアルタイムに近い使い方で、ほとんど落ちない。0.32秒の遅延でも、オフラインとの差は1ポイント未満です。会議の字幕や通話の記録のように、話しているそばから「誰の発言か」を出したい用途に向いた性質です。

人数が増えると難しくなる。話者5人以上では誤り率が大きく上がります。NVIDIA自身も、雑音、強い残響、遠くのマイク、学習時と違う種類の音声、長い会話では、聞き逃しや話者の取り違えが増えうると書いています。9人以上の会話には、そもそも対応していません。

学習データの出どころを明かしている。公開データと使用許諾を得たデータで学習しており、そのうちDavid AIから許諾を得た実際の多人数会話を加えたことで、誤り率が11.19%から10.42%へ0.77ポイント下がった、と数字で示しています。多言語の合成会話は21言語にわたるとしています。

どう見るか

1億パラメータという小さなモデルで、第三者の順位表で首位に立ち、しかも商用利用できるライセンスで公開された、というのが要点です。すでに Argmax が自社の SDK(Argmax Pro SDK 3)で対応したとしています。

首位になった Voice Arena の評価は、英語の約22時間の音声によるものです。

発表はNVIDIAのブログ(Hugging Face)、仕様と評価はモデルの説明書、順位表はVoice ArenaのDiarization-Bench、ライセンスはOpenMDW-1.1にあります。

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