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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 12:30(日本時間)
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Photo: Arseny Togulev / Unsplash

AI

Google、「Gemini 4 Argon」を発表――出力上限を100万トークンに、サイバー防御の担い手から先行提供

要約

Googleは2026年9月30日、大規模言語モデル「Gemini 4 Argon」を発表しました。出力トークンの上限を6万4,000から100万へ引き上げ、DeepSWE v1.1で77.9%などの性能を示したとしています(多くはGoogle自身の評価)。まず信頼できるサイバー防御の担い手に提供し、その後有料API利用者などへ広げます。量子計算の資源の最適化で、発表済みの基準を40%上回った例も紹介されましたが、対象の詳細は公開されていません。

Googleは2026年9月30日、新しい大規模言語モデル「Gemini 4 Argon(ジェミニ・フォー・アルゴン)」を発表しました。Google公式ブログの発表は、Google DeepMindのSVPであるKoray Kavukcuoglu氏の名前で出ています。発表によると、Argonは実務のソフトウェア開発、法務や金融といった企業の知的作業、サイバーセキュリティの防御という、手順の長い複雑な作業で最先端の性能を出すことを狙ったモデルです。

出力の上限を100万トークンに

今回いちばん目を引くのは、1回の応答で出せる長さの上限です。Googleは出力トークンの上限を、これまでの6万4,000トークンから100万トークンへ大きく引き上げたとしています。発表では「業界最高水準」と表現しています。長いプログラムを丸ごと書き換える、長い報告書を一度に書き上げるといった、出力が長くなる作業を想定した変更です。

料金は導入価格として、入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルです。同じ入力をくり返し使うときのキャッシュ済みの入力は、入力料金から95%引きになるとしています。

性能の数字(いずれもGoogleの発表値)

発表に挙がっている主な数字は次のとおりです。条件は評価の方法をまとめたGoogleの資料に書かれており、Argonの数字の多くはGoogle自身が測ったものです。

評価内容Argonの結果
DeepSWE v1.1実務に近い、長い手順のソフトウェア開発77.9%(Googleは最高記録としている)
AutomationBench(Zapier)業務の自動化51.3%(1位)
LVBench長い動画の理解91.7%
CWE-bench v1脆弱性の修正68%(1位タイ)

評価資料によると、DeepSWE v1.1のArgonの数字はGoogleが自分で測ったもので、ほかのモデルの数字は公開の順位表や各社の資料から取っています。LVBenchもGoogleが自分で測った数字で、動画から取り出すコマの数はモデルごとに違う条件です。CWE-bench v1は公開の順位表の数字です。そのほか、金融の調査(Vals Finance Agent v2)や法務の調査・起案(Harvey's Legal Agent Benchmark)でも首位だとしています。

サイバー防御に強いモデルとして、まず防御側へ

Google DeepMindは、Argonのサイバーセキュリティの力を説明する専用のページも出しています。それによると、Argonは大きなコードの中から隠れた脆弱性を見つけ出し、修正のコードまで自動で書くことができます。ソースコードを見ずに、外から見えるWebサイトだけを手がかりに侵入を試す検査(ペネトレーションテスト)もこなすとしています。

数字はGoogleの社内の評価によるものです。実際に見つかった過去の脆弱性をどれだけ拾えるかを測る社内の評価では、Argonが85.8%で、前のモデルの71.0%を上回りました。Webアプリの脆弱性を突くコードを書けるかを見るWiz社のペネトレーションテストの評価では、70.9%(前のモデルは58.2%)でした。一方、外部の文書などに紛れ込ませた指示でモデルを操る「間接プロンプトインジェクション」への強さを測るGray Swan社の評価では、攻撃の成功率がもっとも低い0.7%(15回試行の条件)だったとしています。

こうした力は攻撃にも使えるため、Googleは提供の順番を慎重にしています。まず、信頼できるサイバー防御の担い手に向けたFairwind Programを通じて提供を始めました。米国政府による、公開前のモデルを確かめる任意の枠組みにも参加しているとしています。早期の利用者からの意見をもとに安全策を詰め、その後、有料のAPIの利用者と「Google AI Ultra」の契約者から順に広げる計画です。

安全面では、悪用を防ぐために、モデルの内部の動き(活性化)を見張る手法を改良したこと、間接プロンプトインジェクションへの耐性をこれまでで最も高めたこと、モデルの思考の過程と行動を監視して、意図しないふるまいを抑える仕組みを入れたことを挙げています。

Google社内での使いみちと、量子計算

発表では、Google社内での使用例もいくつか紹介しています。たとえばFuchsiaのZirconカーネルでは、80万行を超えるC/C++のコードをRustへ移す作業に使ったとしています。

量子コンピュータに関わる例もあります。発表によると、Googleの量子コンピュータの研究者はArgonを使って、重要な応用でボトルネックになっている部分(サブルーチン)について、必要な計算資源(量子ビット数とゲート数の掛け算)を減らす最適化を進めています。ある例では、Argonが数分のうちに、すでに発表されている基準を40%上回る結果を出したとしています。

ただし、発表には、どのサブルーチンで、どの論文を基準にした40%なのかは書かれていません。量子アルゴリズムの資源の見積もりは、誤り訂正を前提にした大規模な計算を実際に動かせる時期を左右する重要な数字です。それだけに、具体的な対象と比べ方が公開されるのを待って、中身を確かめる必要があります。

まとめ

Gemini 4 Argonは、出力を100万トークンまで長くし、ソフトウェア開発や企業の知的作業、サイバー防御で高い性能を示したモデルです。ただし、性能の数字の多くはGoogle自身による評価で、量子計算での成果も詳しい内容はまだ公開されていません。いまは一部のサイバー防御の担い手への提供にとどまっていて、開発者や一般の利用者が使えるようになるのはこれからです。

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