QuEra Computingは、ボストンの研究所以外で初めての量子コンピュータを設置し、日本の国家量子開発における重要な節目を迎えました。このシステム(ゲートベースの中性原子量子コンピュータ)は現在、つくばの産業技術総合研究所(AIST)で稼働しています。
この設置は、量子とAI研究に焦点を当てた日本の新しいG-QuATセンターを支援し、NVIDIAを搭載したABCI-Qスーパーコンピュータと共にハイブリッドプラットフォームの一部を形成しています。この組み合わせは、日本の国家量子戦略に沿って、創薬、気候モデリング、物流最適化などの分野での応用を進めることを目的としています。
QuEraの中性原子アーキテクチャは、室温での動作とスケーラビリティを提供し、耐障害性システムの実用的な候補となっています。この導入は、石破茂首相が2025年を日本の「量子産業化元年」と位置付けた宣言と時を同じくしています。
これはQuEraにとって初めての世界規模のオンプレミス納入であり、英国の量子プログラムでの契約や、Google、SoftBank Vision Fund 2、Valor Equity Partnersが支援する2億3,000万ドルの投資ラウンドに続くものです。同社は、グローバル展開戦略の中核として、産官学の連携を重視しています。
背景
本記事で登場する「ゲートベースの中性原子量子コンピュータ」とは、原子を光などで捉えて量子ビットとし、レーザーパルスなどの操作(ゲート演算)で計算を行う方式です。従来の超伝導方式とは異なり、室温での動作が可能であり、多数の量子ビットを並べるスケーラビリティに優れているとされています。これにより、耐障害性の高いシステムの実現が期待されています。
また、「ハイブリッド量子インフラ」とは、量子コンピュータと従来の古典コンピュータ(ここではNVIDIAを搭載したABCI-Qスーパーコンピュータ)を組み合わせる構成を指します。それぞれの得意分野を活かし、創薬や気候モデリング、物流最適化といった複雑な問題解決に向けた応用を進めることを目的としています。
さらに、「オンプレミス型」とは、企業が自社の施設内にハードウェアを設置し、直接運用・管理する形態です。クラウド経由ではなく、物理的に自社工場や研究所に置くことで、データの安全性や専用環境の確保を図ります。QuEraはこの方式で世界規模での納入を開始し、産官学の連携を戦略の中心に据えています。
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2025年5月28日




