PsiQuantumは、オーストラリアのブリスベンに建設予定の初の実用規模の量子コンピュータ向けの大規模極低温冷却プラントの設計と納入をLinde Engineeringに選定しました。このシステムは、約4ケルビン(-269℃、-452°F)で動作する極低温キャビネットに収納されたPsiQuantumのOmega光量子チップを冷却します。光子量子ビットアーキテクチャは、物質ベースのシステムよりも高い動作温度を可能にし、標準的な光ファイバー相互接続を使用したより効率的なスケーリングを実現します。
この極低温プラントは数万個の量子チップをサポートし、この目的で建設された中でも最大規模のものの一つです。Linde Engineeringは、半導体、MRI、素粒子物理学などの産業分野における500以上の極低温プラント設置の経験を有しています。このシステムは、熱的および電磁的干渉を最小限に抑えることで量子ビットのコヒーレンスを維持する上で重要であり、これは耐障害性のある量子コンピューティングの基本的要件です。
このプロジェクトは、産業能力を学術および商業サプライチェーンと統合することで、オーストラリアをグローバルな量子エコシステムにおける重要なプレーヤーとして位置づけています。また、光子ベースのアーキテクチャを実用規模の展開に向けて進めているPsiQuantumにとってもマイルストーンとなります。
背景
極低温冷却プラントは、量子コンピュータの心臓部であるチップを極寒の環境に保つための装置です。記事にある通り、約4ケルビンという絶対零度に近い温度で動作します。この極低温環境は、量子ビットが外界の熱や電磁波によるノイズから守られ、安定した状態(コヒーレンス)を維持するために不可欠です。ノイズが侵入すると計算エラーの原因となるため、熱的および電磁的干渉を最小限に抑える設計が求められます。
また、PsiQuantumが採用する「光子量子ビットアーキテクチャ」は、従来の物質ベースの量子ビットとは異なる仕組みです。光(光子)の情報キャリアとして利用することで、より高い動作温度での実現や、標準的な光ファイバーを用いた効率的なスケーリングが可能になると説明されています。これにより、数万個の量子チップをサポートする大規模なシステム構築が期待されています。
さらに「コヒーレンス」とは、量子ビットが持つ特有の性質が乱れずに保たれている状態を指します。耐障害性のある量子コンピューティングを実現するには、このコヒーレンスを長く維持することが基本的な要件となります。極低温プラントは、この維持に重要な役割を果たします。
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2025年5月9日



