IQMクァンタムコンピューターズと、日本の計測技術と技術革新に特化した企業である東洋工業は販売代理店契約を締結しました。この提携は日本市場における量子コンピューティングの導入を加速することを目的としています。
本契約に基づき、東洋工業は大学、研究機関、企業向けにIQMのオンプレミス超伝導量子コンピュータの販売とマーケティングを行います。販売される製品には5量子ビットシステムのIQM Sparkと、20量子ビットから150量子ビットまでのIQM Radianceが含まれます。また、この提携は量子人材の育成と量子技術の社会実装の促進も目指しています。
この協力関係は、2030年までに国内の量子ユーザーを1000万人にすることを目標とする日本政府の量子戦略を支援する位置づけとなっています。この提携により、IQMのアジア太平洋地域での存在感が強化され、産業技術総合研究所(AIST)との既存の協力関係を補完することになります。この新たな取り組みの一環として、東洋工業は2025年末までに量子技術専門部門を設立し、量子コンピュータの新しい応用分野とユースケースの促進を目指しています。
背景
量子コンピュータは、従来のコンピュータが「0」か「1」のビットで情報を処理するのに対し、「0」と「1」の両方の状態を同時に持つ「量子ビット」を用いて計算を行います。これにより、特定の問題において従来のコンピュータを凌駕する処理能力を発揮することが期待されています。
本契約で対象となる「超伝導量子コンピュータ」は、この量子ビットを実現する方式の一つです。極低温環境で電気抵抗がゼロになる超伝導現象を利用し、人工的な回路(超伝導量子ビット)によって量子状態を制御します。現在、主要な量子コンピュータ開発企業がこの方式を採用しています。
また、「オンプレミス」とは、システムやソフトウェアを自社の施設内に設置して運用する形態を指します。クラウド経由ではなく、自社内でハードウェアを管理・運用するため、データの機密性が高く保たれる点や、独自の環境で実験を行える点が利点とされています。東洋工業は、こうした量子コンピュータのハードウェア販売を通じて、大学や企業での導入を支援します。
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2025年8月6日


