DARPAは、量子拡張ネットワーク(QuANET)プログラムの実施者たちが、初めて機能する量子拡張ネットワークのデモンストレーションに成功したと発表しました。プログラム開始から10ヶ月後に行われたクロスチームハッカソンでのこのデモンストレーションは、量子システムを従来のネットワークインフラに統合するという課題に取り組みました。
このネットワークは、従来型と量子の両方のリンクを使用してメッセージを送信しました。研究者たちは、送信のために量子光の状態であるスクイーズド光にデータを符号化しました。リアルタイムの最適化により、メッセージの送信時間は5分から0.7ミリ秒に短縮され、6.8Mbpsのビットレートを達成しました。また、このプログラムは通信の効率性とセキュリティを向上させるため、複数の量子特性で絡み合った超量子もつれ光子の展開に向けても取り組んでいます。
QuANETプログラムは、既存のネットワークアーキテクチャ内で量子リンクを運用可能にすることで、安全なグローバル通信と共同研究をサポートする統合ネットワークの作成を目指しています。QuANETプログラムマネージャーのアリソン・オブライエン博士は、この研究がセキュリティ、効率性、プライバシー、および回復力の向上につながる可能性があると述べています。このプログラムは、実地展開された光ファイバーを使用した運用環境での量子-古典アーキテクチャのデモンストレーションを特徴とする最初のフェーズテストイベントが秋に予定されており、さらなる進展が期待されています。
背景
量子拡張ネットワーク(QuANET)は、既存のネットワークインフラに量子システムを統合する技術です。従来のネットワークでは扱えない量子の特性を活用し、通信の効率性やセキュリティを向上させることを目指しています。
デモンストレーションでは、送信データを「スクイーズド光」と呼ばれる量子光の状態に符号化しました。スクイーズド光は、光の持つ量子雑音の性質を制御した状態であり、これにより情報の伝送を高精度に行うことが可能になります。
また、複数の量子特性で絡み合った「超量子もつれ光子」の展開も検討されています。もつれとは、離れた場所にある粒子同士が互いの状態に影響し合う現象を指します。この性質を利用することで、通信のセキュリティやプライバシーの保護、そしてネットワークの回復力(障害時でも機能を維持する能力)の向上が期待されています。
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2025年8月11日




