シスコ・クアンタム・ラボは、量子コンパイラのプロトタイプと2つのダウンロード可能なデモを含む量子ネットワーキングソフトウェアのリリースを発表しました。このソフトウェアは、量子プロセッサをネットワーク化することで量子アルゴリズムのスケーリングという課題に対応するように設計されています。このコンパイラは、ネットワークを意識した初めての分散型量子コンパイラであり、プロセッサ間の量子インターコネクト要件を考慮し、分散型量子エラー訂正をサポートします。
新しいコンパイラは、量子データセンター内の複数のプロセッサ間で量子状態転送を容易にするため、エンタングルメントの生成と分配を分割してスケジューリングします。新しいデモは2つのアプリケーションを紹介しています:量子エンタングルメントを使用して盗聴を検出する「Quantum Alert」と、分散した場所間での相関的な意思決定を可能にするエンタングルメントを使用する意思決定調整アプリケーション「Quantum Sync」です。これらのデモは、組織が量子分野でプロトタイプを作成しイノベーションを起こすためのツールを提供することを目的としています。
この発表は、量子プロセッサを大規模に接続するために必要なインフラストラクチャを構築するというシスコの量子ネットワーキングビジョンの一環です。同社は、量子ネットワーキングシリコン、制御ソフトウェア、アプリケーションの開発において、フルスタックアプローチを取っています。シスコのシニアバイスプレジデントであるビジョイ・パンディ氏は、このソフトウェアが分散量子コンピューティングを機能させ、量子コンピュータを単独ではなく協調して動作させる欠かせないインフラストラクチャであると述べています。
背景
量子コンピュータにおいて「エンタングルメント(量子もつれ)」は、複数の量子ビットが密接に関連し合い、一方の状態が他方に即時に影響を与える現象です。本記事のコンパイラは、このエンタングルメントの生成と分配を分割してスケジューリングすることで、データセンター内の複数のプロセッサ間で量子状態をスムーズに転送可能にしています。
また、「量子コンパイラ」は、人間が理解しやすい高レベルの量子アルゴリズムを、量子ハードウェアが実行可能な低レベルの命令列に変換するソフトウェアです。本件では、ネットワーク接続された複数のプロセッサ間での通信要件を考慮した初の分散型コンパイラとして紹介されています。これにより、プロセッサ間の量子インターコネクトの制約や、分散型量子エラー訂正の要件を適切に処理できます。
さらに、「分散型量子エラー訂正」は、ネットワークで接続された複数の量子プロセッサを協調させて動作させる際に発生する誤りを検出し、修正する仕組みです。単独のコンピュータではなく、ネットワークを通じて連携する環境下でも、正確な計算結果を得るために不可欠な技術要素となります。
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2025年9月25日




