エルサレムヘブライ大学とベルリンフンボルト大学の研究者たちは、室温下でダイヤモンドの欠陥から最大80%の光子を捕捉することに成功しました。APL Quantumに掲載された研究では、次世代の量子コンピュータ、センサー、通信ネットワークの開発に重要なナノダイヤモンドの窒素空孔(NV)中心からの単一光子の捕捉における進展が報告されています。
研究者たちは、金属と誘電体材料の層で構築された特別に設計されたハイブリッドナノアンテナにNV中心を持つナノダイヤモンドを組み込むことで、光の散乱という課題に取り組みました。ナノアンテナは光を明確な方向に導きます。研究チームは、最適な結合と性能を達成するための重要なステップとして、「超精密位置決め」を使用してナノダイヤモンドをアンテナの中心に、数十億分の1メートルの精度で配置しました。
室温でチップベースの設計で動作する新システムは、従来のアプローチよりも実世界のシステムに容易に統合できることを目的としています。ヘブライ大学ラカ物理学研究所のローネン・ラパポート教授は、この新しいアプローチにより研究者たちが実用的な量子デバイスに一歩近づいたとコメントしています。この研究はBMBFグラント番号16KISQ003(QR.X)の支援を受けています。
背景
本研究で重要な役割を果たしている「窒素空孔(NV)中心」とは、ダイヤモンドの結晶構造の中に生じた欠陥のことです。具体的には、炭素原子の代わりに窒素原子が入り、隣接する場所が空欄(空孔)になっている状態を指します。この欠陥は単一光子を放出する性質を持っており、量子技術における光源として機能します。
また、「ナノアンテナ」は、光を特定の方向へ効率的に導くための微小な装置です。金属と誘電体材料の層で構築されており、光の散乱という課題を解決するために設計されています。これにより、NV中心から放出された光を明確な方向へ集めることが可能になります。
さらに、「超精密位置決め」とは、ナノダイヤモンドをアンテナの中心に数十億分の1メートルという極めて高い精度で配置する技術です。この微細な調整により、光とアンテナの最適な結合が実現し、高い光子捕捉効率の達成に不可欠なステップとなっています。
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2025年9月29日




