QunaSysは、AI、ビッグデータ、自律型ロボット、量子コンピューティングを通じてバッテリー技術の革新を目指す、予算1,995万ユーロ(2,091万米ドル)の欧州連合出資のイニシアチブ、FULL-MAPプロジェクトに参画しました。ブリュッセル自由大学(VUB)が調整役を務めるこのプロジェクトでは、持続可能なバッテリー材料の発見を加速させるため32の組織が結集しています。QunaSysは量子機械学習の専門知識を活用し、電解質、アノード、カソードのシミュレーションを強化し、次世代バッテリーのより効率的な材料探索を可能にします。
このプロジェクトは、AI、ハイスループット実験、量子支援マルチスケールシミュレーションを統合した Materials Acceleration Platform(MAP)の開発に焦点を当てています。QunaSysの役割には、原子スケールモデリングの精度向上、バッテリーインターフェースの最適化、イオン輸送と劣化プロセスの理解における計算上のボトルネックへの対応が含まれます。これらの取り組みは、バッテリー材料の発見サイクルを短縮し、エネルギー貯蔵ソリューションの効率を改善することを目指しています。
この協力関係は、電気自動車や再生可能エネルギーへの応用を目指す欧州連合の持続可能なエネルギー貯蔵に関する目標を支援するものです。量子コンピューティングとAI駆動のワークフローを組み合わせることで、このプロジェクトは開発期間の短縮とエネルギー貯蔵ソリューションの効率向上を目指しています。
背景
本記事で登場する「Materials Acceleration Platform(MAP)」は、材料探索の効率化を目的としたプラットフォームです。従来は手作業や個別の手法に依存していた材料開発プロセスを、AI、ハイスループット実験、量子支援マルチスケールシミュレーションといった複数の技術を統合することで自動化・高速化します。これにより、新たなバッテリー材料の発見サイクルを短縮することが期待されています。
また、「量子支援マルチスケールシミュレーション」は、量子コンピュータの計算能力を活用して材料の挙動を解析する手法です。特に原子スケールでのモデリング精度向上や、バッテリー内部でのイオン輸送、劣化プロセスといった複雑な現象の理解において、従来の計算手法では困難だったボトルネックを解消する役割を果たします。
さらに、「量子機械学習」は、量子コンピュータの特性を活用した機械学習の一分野です。QunaSysはこの専門知識を用い、電解質やアノード、カソードといったバッテリー構成要素のシミュレーションを強化します。これにより、次世代バッテリーに最適な材料をより効率的に探索し、持続可能なエネルギー貯蔵ソリューションの実現に貢献することを目指しています。
関連する記事としてQunaSys、グローバル連携で量子コンピューティングの実用化を加速、HyperTenQプロジェクトに向けてQunaSysが1900万円(267万米ドル)の助成金を獲得し量子化学を前進させる、EUがSUPREMEコンソーシアムに超伝導量子産業化のため5000万ユーロ(5900万米ドル)を配分もあわせてご覧ください。
2025年3月5日



