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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 12:45(日本時間)
%は前日比・グラフは直近10営業日の推移 — 株価とニュースの突き合わせ / 業界の関係図
特集 半導体

半導体トレンド③量子が半導体に入ってきた―工場を建てる、買う、借りる

要約

量子コンピュータ企業が製造設備を取りにいっています。自前で建てる、半導体メーカーを買う、既存の300mmラインに載せる。3つの道が同時に走るいま、量子と半導体の境目がどう動いているかを整理します。

前の2回は、計算機そのものを作る話でした。最後の回では、量子コンピュータが半導体の工場に入り込んでいる動きを見ます。

3つの道が同時に走っている

2026年に入って、量子コンピュータ企業が製造設備を取りにいく動きが続いています。型は3つに分かれます。

建てる。QpiAIがベンガルールに開設した8インチの量子チップファウンドリです。いまは最大128量子ビットの超伝導プロセッサを作れて、2027年までに単一QPUで最大10,000量子ビットを目標としています。これまでに2,000万〜2,500万ドルを投じ、インド政府のNational Quantum Missionなどから3,200万ドルを得ています。

買う。IonQによるSkyWater Technologyの買収が完了しました。設計から製造、実装まで一貫した体制になったと同社は説明しています。

借りる。標準的な半導体の製造ラインに量子ビットを載せる道です。

買った工場は何をしていたのか

買収の意味を考えるうえで、SkyWaterという工場の経緯は示唆的です。

90nmの200mmラインという、先端からは外れた設備です。最新のチップを作る工場ではありません。ですが量子ビットの製造には、必ずしも最先端の微細化が要るわけではない。古い設備が量子の裏方として生き返るという構図です。

これは前の回で見た「微細化以外の道」とも通じます。半導体産業の価値が、微細化の一本道では測れなくなっています。

冷やす側は装置産業になった

量子の側から半導体を見ると、もう一つ大きな課題があります。冷却と配線です。

IBMが発表したモジュール式クライオジェニックセルの接続は、冷却容器を複数つなぐものです。配線を通すスペースが最大12倍に広がり、箱1つで2,000個の物理量子ビットを収容・冷却できる設計とされています。同社は2027年までに少なくとも1,000個のプログラマブルなキュービットを備えた統合システムを構築し、2029年のStarlingの基盤にする計画です。

量子ビットそのものより、それを取り巻く装置のほうが重い。ここは完全に装置産業の話です。

制御チップも半導体

さらに、量子ビットを操作する回路も半導体です。クライオCMOSは、極低温で動く制御チップのことで、量子ビットのすぐ近くに置くことで配線を減らします。

作るのは半導体の工場、冷やすのは装置産業、制御するのも半導体。量子コンピュータのうち、量子なのは量子ビットだけという見方もできます。

境目は意味を持たなくなるのか

この構図をどう読むかについては、対談で技術と事業の両面から扱いました。

技術の側からは「独立していられる要素が減り続けている。ただし既存ラインで十分な数を作れるかは未確認」。事業の側からは「量子が半導体に吸収されるのではなく、両方が同じ資本の下に入っていく」。

産業としてどちらが飲み込むかという構図ではなく、境目が意味を持たなくなる方向という見立てです。

この3回のまとめ

世代を進めるか面積で稼ぐかで選択が割れ、微細化以外の道が同時に走り、量子が製造設備を取りに来ている。

半導体のニュースを読むときに、プロセスの世代だけを追っていては見えないものが増えました。どこで作るのか、何ワットで動くのか、そして誰がその設備を持つのか。この3つが、いま動いているところです。

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