NVIDIAが RTX PRO 5500 Blackwell Workstation Edition を製品ページに掲載しました。84GB GDDR7・帯域 1398GB/s・消費電力は最大 600W です。出荷時期は「近日リリース予定」で、日付は示されていません。
公表されている数字
NVIDIAの製品ページに載っている値だけを並べます。
| メモリ | 84GB GDDR7(ECC付き) |
| 帯域 | 1398GB/s |
| 最大消費電力 | 最大600W |
| 接続 | PCIe Gen5 x16 |
| 映像出力 | DisplayPort 2.1b ×4(最大) |
| Tensorコア | 第5世代 |
| RTコア | 第4世代 |
| 映像符号化 | NVENC 第9世代 ×3/NVDEC 第6世代 ×3 |
| 4:2:2 | H.264・HEVC で対応 |
| MIG(GPU分割) | 2インスタンス |
| 冷却 | 空冷(RXM形状では液冷も) |
| 発売 | 近日リリース予定(日付なし) |
系列の中でどこに座るのか
⚠️ RTX PRO の机上向けは型番が込み入っています。同じ系列に「5000」と「5500」が並び、5000には48GB版と72GB版があります。並べて見ないと位置が分かりません。
| 製品 | メモリ | 最大消費電力 |
|---|---|---|
| RTX PRO 6000 Blackwell Workstation | 96GB | 600W |
| RTX PRO 6000 Blackwell Max-Q | 96GB | 300W |
| RTX PRO 5500 Blackwell Workstation | 84GB | 最大600W |
| RTX PRO 5000 Blackwell | 48GB または 72GB | 300W |
| RTX PRO 4500 Blackwell Workstation | 32GB | 200W |
| RTX PRO 4000 Blackwell | 24GB | 145W |
| RTX PRO 4000 Blackwell SFF | 24GB | 70W |
| RTX PRO 2000 Blackwell | 16GB | 70W |
5500は5000と6000のあいだに入りました。注目すべきは電力です。
⚠️ 5000(72GB・300W)から5500(84GB・600W)へは、メモリが12GB増えるのに対し、電力は2倍になります。これは同じ設計の小さな延長ではなく、別の階級の製品と見るべきです。6000 Workstation(96GB)と同じ600Wの枠に入っており、上限の電力を使い切る側に置かれています。
一方で、6000には300Wに抑えたMax-Q版がありますが、⛔ 5500に相当する低電力版は掲載されていません。電力に制約のある筐体では、いまのところ選べません。
MIGが2つ、という意味
MIG(Multi-Instance GPU)は、1枚のGPUを電気的に分離した複数のGPUとして扱う仕組みです。5500は2インスタンスに分けられます。
これはデータセンター向けの機能で、机上向けのカードに載っているのが特徴です。NVIDIAはこのカードを「ラックに搭載するワークステーション」向けと位置づけており、1枚を2人・2つの仕事で分け合う使い方を想定していると読めます。
⚠️ 2という数は多くありません。NVIDIAはMIGの説明で「as many as seven instances(最大7つまで)」と書いており、データセンター向けの製品はそこまで分けられます。5500の2分割は、分けられること自体に意味があるという段階です(MIGの説明)。
映像まわりは3基ずつ
符号化器(NVENC)と復号器(NVDEC)をそれぞれ3基積み、4:2:2のH.264とHEVCに対応します。
4:2:2は色情報を横方向に半分だけ間引く形式で、放送や業務用カメラの収録で広く使われています。これを直接扱えると、編集前の変換が要りません。符号化器が3基あるので、複数の書き出しを並行させられます。
⛔ 言えないこと
一次情報だけでは、このカードがどれだけ速いのかは分かりません。NVIDIAの製品ページには次の数字がいずれも載っていません。
- CUDAコア数
- Tensorコア・RTコアの個数
- AI TOPS、FP4・FP8のTFLOPS
- 単精度(FP32)のTFLOPS
- メモリのバス幅
- 価格
- 発売日(「近日」とのみ)
- vGPU対応の有無、NVLinkの有無
⚠️ つまり、いま比較できるのは「メモリの量」「帯域」「電力」の3つだけです。「84GBで600W」という骨格は分かりますが、その電力で何が返ってくるのかは、数字が出るまで判断できません。当サイトも実機を動かしていないので、性能については何も申し上げられません。
帯域の1398GB/sは、メモリの容量と合わせて読むと意味があります。84GBを1398GB/sで読み切るのに約60ミリ秒かかる計算です。大きなモデルを丸ごとメモリに載せて繰り返し読む使い方では、この値が上限を決めます。
どう見るか
「大きなモデルを1枚に載せきる」ことを、電力と引き換えに押し進めたカードです。84GBという容量は、96GBの6000に手が届かない場合の選択肢になります。
ただし、5000(72GB)との差は容量で12GB、電力では2倍です。⚠️ 12GBのために300W追加する価値があるかは、演算性能の数字が出てから判断すべきで、いまの公表内容では決められません。発売日も価格も示されていないので、比較検討に入れるのはもう少し先になります。




