イギリスの量子技術企業Delta.gは、量子重力センシングプラットフォームの開発と展開を加速させるため、シードラウンドで460万ポンド(約617万米ドル)を調達しました。このラウンドはSerendipity Capitalが主導し、NSSIFと既存投資家SCVCが参加しました。
同社の量子センサーは重力勾配計で、陸上と海上でテスト済みであり、インフラ、探査、航行のための空間情報を提供するように設計されています。この技術は英国量子技術ハブのセンサー・タイミング部門で開発され、バーミンガム大学からスピンアウトしました。その応用には地下イメージング、GPS不要のナビゲーション、環境モニタリングが含まれます。
この資金は、Delta.gの技術チームと製造能力の拡大、および英国運輸省を含む政府および商業パートナーとのパイロット展開を通じたフィールドシステムの提供に使用される予定です。この資金調達は、実用的なツールとしての量子センシングの勢いの高まりと、量子技術およびデュアルユース技術における英国のリーダーシップの証として位置付けられています。
背景
本記事で登場する「量子重力センシング」は、地球の重力場の微小な変化を検出する技術です。通常、重力は一定と考えられがちですが、地下の密度の違いや構造物の有無によって局所的に重力値が変動します。この技術は、そのわずかな勾配(変化の度合い)を高精度に計測することで、地上からは見えない地下の構造や物体を可視化します。
また、「重力勾配計」は、重力の強さが空間的にどのように変化しているかを測定するセンサーです。従来の重力計が地点ごとの絶対的な重力値を測るのに対し、勾配計は位置間の差を検出するため、移動中の車両や船舶など、動的な環境でも安定したデータ取得が可能です。これにより、GPS信号が届かない場所や電波妨害のある環境下でも、自らの位置や周囲の地形情報を把握できる「GPS不要のナビゲーション」が実現します。
さらに、「地下イメージング」は、この重力データを用いて地下の3次元構造を画像化するプロセスです。インフラの老朽化診断や資源探査、環境モニタリングなど、非破壊で地下を調査する必要がある場面で活用されます。これらは英国量子技術ハブのセンサー・タイミング部門で開発された技術であり、バーミンガム大学からスピンアウトしたDelta.gがその実用化を進めています。
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2025年9月26日




