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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 12:30(日本時間)
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Photo: Maxence Pira / Unsplash

半導体

MarvellがGoogle向けカスタム半導体で契約、購入額に連動して確定するワラントを発行

要約

MarvellがGoogle向けカスタム半導体の商業契約を結び、最大58,970,907株のワラントを発行しました。SECに提出された8-K(2026年8月19日付)の記載だけをもとに、対象となる5つの製品、行使価格206.58ドル、権利確定が実際の購入額に連動する仕組みを整理します。

Marvell Technology, Inc. と Google LLC が、Google 向けのカスタム半導体の開発について商業契約を結びました。あわせて Marvell は Google に対し、同社株式を取得できるワラント(新株予約権)を発行しました。この内容は、Marvell 自身が米国の証券取引委員会(SEC)に提出した Form 8-K(2026年8月19日付)に記載されています。8-K は、企業が重要な出来事を法的な義務のもとで届け出る書類です。報道を介さずに条件そのものを確かめられる点が特徴です。本記事はこの書類の記載だけをもとにしています。以下の内容は2026年8月19日時点の提出書類によるものです。

まず提携の中身です。8-K によると、契約の締結日は2026年7月29日です。対象は、Google の TPU のエコシステムに接続する幅広いカスタムシリコンの計画にわたるとされています。書類が具体的に挙げているのは5つです。AI推論アクセラレータ、ストレージコントローラ、ネットワークインターフェースコントローラ、メモリインターフェースコントローラ、そしてニアメモリコンピュートです。

次にワラントです。発行日は2026年8月18日です。取得できる株式は最大58,970,907株です。行使価格は1株あたり206.58ドルです。行使できるのは2033年8月18日までです。単純に掛け合わせると、満額まで行使した場合の払込額は約121.8億ドルになります。ただしこれは Google が Marvell に支払う額です。Marvell の売上ではありませんし、Google が得る保有価値でもありません。

ここからが今回の要点です。ワラントの権利がどう確定するかは、2つに分かれています。時間の経過で確定するのは1,360,867株だけです。この分は、商業契約とワラントの締結から1年間、四半期ごとに等分で確定するとされています。残りの57,610,040株は、Google とその関連会社による任意の購入に応じて確定します。対象期間は Marvell の2027年度第3四半期から2033年度末までです。この分は240の等しいトランシェ(分割された単位)に分かれています。カスタム製品の売上5億ドルごとに1トランシェが確定する仕組みです。

つまり大半は、Google が実際にどれだけ買ったかに連動します。契約を結んだだけでは確定しません。240トランシェに5億ドルを掛けると1,200億ドルになります。これは契約額ではありません。ワラントが全部確定するために必要な売上の目安です。両者を取り違えないことが大切です。

そのほかの条件も書かれています。ワラントは、Marvell の同意なしには支配下の関連会社以外へ譲渡できません。行使して得た株式は原則として自由に売買できますが、証券法、定められた出来高の制限、および時間で確定する分についてのロックアップの制限を受けます。Google は登録請求権を持ちます。発行は1933年証券法 Section 4(a)(2) の登録免除に依拠しています。この件は未登録株式の販売としても報告されています。ワラント契約書そのものは Exhibit 4.1 として添付されていますが、一部の別紙は Regulation S-K Item 601(a)(5) により省略されています。署名者は Mark Casper(EVP, Chief Legal Officer and Secretary)で、日付は2026年8月19日です。

読者にとって何が読み取れるでしょうか。ここにあるのは、半導体を「買う」だけの関係ではありません。用途に合わせて「一緒に作る」関係が、株式を絡めた形で結ばれたということです。しかもその株式を取得する権利の大半は、実際の購入額に連動して初めて確定します。AI向けの専用ハードウェアをめぐる動きとしては、Cerebrasのウエハースケール新機種「CS-4」のように推論に的を絞った製品も出ています。計算資源の確保に大きな金額が動く流れは、AnthropicとOpenAIが自ら公表した調達額と計算資源の数字にも表れています。作り手側を押さえる動きとしては、QpiAIによるベンガルールの8インチ量子チップファウンドリ開設もありました。今回の8-Kは、そうした流れの一つを、当事者自身の書類で条件まで確かめられる例だといえます。なお、8-Kに書かれていない事柄については、本記事では触れていません。

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