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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 15:15(日本時間)
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方式くらべ

【方式くらべ】光方式とは?室温で動く光量子コンピュータの仕組みと課題

要約

光方式の量子コンピュータは光子を量子ビットとして使い、室温で動作し光通信と相性が良い一方、多光子源の発生効率やゲート操作の難しさが課題です。OptQCとNTTの提携やPsiQuantumの動向を通じ、実装段階への移行が進む現状が分かります。

光を粒として使えば量子コンピュータになる、と聞いたことがあるかもしれません。でも懐中電灯の光と何が違うのか、ピンと来ない人も多いはずです。今回は光方式の仕組みと現状を見ていきます。

光方式では、光の粒である光子を量子ビットとして使います。光子が通る経路や、光子の持つ性質(偏光や位相など)を「0」と「1」に対応させるのが基本の考え方です。複数の光子を「量子もつれ」と呼ばれる特殊な結びつきでつなぐことができます。すると、片方を測ればもう片方の状態も瞬時に決まる関係ができます。この量子もつれをたくさんの光子の間に作ります。そして光チップの上でビームスプリッタ(光を分けたり混ぜたりする部品)や位相シフタを使って自在に操作します。チップ上での多量子ビットグラフ状態生成という研究があります。この研究では、1個の光子に複数の量子ビットを詰め込む「高次元符号化」という工夫が示されています。この工夫により、光子の数を増やさずに扱える量子ビットの総数を増やすことができます。

この方式の強みは、まず室温で動かせることです。超伝導方式のように絶対零度近くまで冷やす巨大な冷凍機がいらず、装置をコンパクトにしやすいという利点があります。また光は光ファイバーの中をそのまま長距離飛べます。そのため、量子コンピュータ同士をネットワークでつなぐ用途とも相性がよいです。OptQCとNTTの資本提携の記事があります。その記事でも、室温での量子もつれ生成や光通信の技術をそのまま生かせる点が挙げられています。これは固体方式にはない強みです。

一方で弱みもはっきりしています。光子は一度に確実にたくさん生み出すのが難しいという課題があります。そのため、必要な数の光子がそろって出てくる確率がとても低いという問題があります。これは「多光子源の発生効率が低い」という課題で、大規模な計算を組み立てるうえで長年の壁になってきました。また光子同士は自然には反応し合わない性質を持ちます。そのため、量子ビット同士を掛け合わせる「ゲート操作」を作るのが難しいという課題があります。そのため、測定という間接的な手段で工夫する必要があります。さらに変分量子アルゴリズムという近未来型の計算手法については、光量子回路の訓練可能性を調べた研究があります。この研究によって、測定結果をどう処理するかで学習のしやすさが大きく変わることが理論的に示されています。光子数についての単純な次数の式で測定結果を処理する場合を考えます。この場合は、量子ビット数が増えても必要な測定回数は現実的な範囲にとどまり、学習可能です。一方、より複雑な式や出力確率そのものに基づく処理をする場合は、測定回数が爆発的に増えてしまいます。その結果、いわゆる「バレン・プラトー」に陥ることが分かっています。

いまどこまで進んでいるかというと、企業レベルでは100万量子ビットという非常に大きな目標が掲げられています。OptQCとNTTの資本提携があります。そこでは、耐障害性を持つ100万量子ビット級の光量子コンピュータの実現が目指されています。2030年度までに実現するロードマップが示されました。その途中段階として、2028年度に1万量子ビット級のシステムを展開する計画になっています。そして、金融や製造、エネルギー分野での実証実験を行う計画です。ただし現時点でそこまでの量子ビット数や精度が実機で達成されたという数字は、資料の中では確認できません。そこはまだ分かっていません。

取り組んでいる企業や機関はいくつかあります。日本発のスタートアップであるOptQC Corp.と、通信大手のNTT, Inc.です。両社は資本提携を結び、共同研究を進めています。OptQCはUniversity of Tokyoの研究室からスピンアウトした企業です。AIST G-QuATの施設で、光量子処理ユニット「MoQuren」を運用しています。また米国のPsiQuantumは、シカゴ南部での大規模な製造拠点建設を進めています。それと同時に、地域の量子人材育成にも資金を拠出しています。7月の業界動向をまとめた月次レポートでは、ほかにも光量子コンピュータを納入した企業や、光チップ製造を拡大する企業の動きが紹介されています。そこからは、光方式が研究段階から製造・実装の段階へと移りつつある様子がうかがえます。

光方式は、室温で動かせて光通信ともつながりやすい方式です。一方で、光子をそろえて生み出す難しさとゲート操作の作りにくさを抱える方式だ、とまとめられます。次回は、また別の方式に目を向けます。

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