量子ソフトウェア研究の論文と企業ユースケースをまとめたデータベースを公開しました。論文5,345本、企業ユースケース1,532件を検索できます。

何が読めるか
大きく2つの層に分かれています。
ひとつは、読んで再現まで進めたものです。現在38本の論文を精読し、うち7本は blueqat で実際に動かして、論文の主張と数値を突き合わせました。たとえば量子機械学習で知られる「不毛な台地」の論文では、勾配の大きさが量子ビット数に対してどう減衰するかを測り、傾き -0.6733 を得ています。論文の値は -0.694、理論値は -0.6931 でした。
再現の結果は、判定(一致・部分一致)だけでなく、どの主張を検証したか、何が確かめられていないかまで書いています。上の論文と同じ手法で調べた別の論文では、4つの実験のうち3つが一致し、残る1つは8シグマの不一致が出ました。その原因の特定まで含めて載せています。
もうひとつは、収集したものです。論文5,326本、企業ユースケース1,522件。こちらは精読も再現もしておらず、探すためのものです。論文はarXivから直接取得しており、IDは全件を照合済みです。企業ユースケースは当サイトの過去記事から抜き出したもので、元の記事へ辿れます。
収集したものは順に精読していきます。精読が済んだものには、同じ検索の中で印が付きます。
事実と推定を分けています
企業ユースケースには、公開されている事実だけでなく、そこからアルゴリズムを推定した項目が含まれます。
たとえばHSBCがIBMの実機で行った債券トレーディングの取り組みでは、「成約確率の予測を古典手法比で最大34%改善」「手法名は Projected Quantum Feature Map」といった発表内容は事実として、出典つきで載せています。一方、その特徴写像がどう組まれているかは公開されていません。そこは推定として、別の枠に、確度を添えて書いています。
推定を事実のように見せないことは、このデータベースの設計で最も重視した点です。枠も色も見出しも分け、確度(高・中・低)を必ず添えています。収集したものについては推定の根拠がさらに弱いため、より強い注意書きを付けています。
日本語で読めるようにしています
収集した論文の題名と概要は、日本語訳を進めています。現在848本が日本語で読める状態です。
使い方
ナレッジベースは、blueqat のアカウントでログインし、プランに加入するとご利用いただけます。プランは月額980円と10,000円の2つで、プランのご案内にまとめています。
980円のプランでは、再現の判定と検証内容、企業事例の出典つき公開事実、アルゴリズムの推定まで読めます。10,000円のプランでは、これに加えて読解ノートと、再現に使った計算時間・量子回路の生成規則・数式が付きます。手元で追試したい方に向けたものです。
まだ再現していない論文には、「この論文の再現を優先してほしい」というボタンを置きました。要望の多いものから順に進めます。
これから
収集の範囲は広げ続けています。当サイトの記事が増えれば企業ユースケースも増え、論文も収集を続けています。データは毎日取り込んでいます。
なお、このデータベースは blueqat の量子ソフトウェア研究から作られたもので、当サイトの記事とは別に育てているものです。記事のほうは従来どおり、どなたでも無料でお読みいただけます。



