OpenAIが2026年9月3日(米国時間)、新しいAIモデル「GPT-6 Astra」を発表しました。ChatGPTのPlus・Pro・Business・Enterpriseの各プランに順次提供され、追加料金はかかりません。
何ができるようになったか
公式の説明で中心に置かれているのは、コンピュータ操作です。画面を見て、マウスやキーボードを自分で動かして作業を進めます。書類や表計算の作成、フォームの入力、顧客管理システムの更新、予定の管理、調査のまとめ、ソフトウェアの導入といった作業が挙げられています。
測定された数字
OpenAIが公表している主な数値です。
| 測定項目 | GPT-6 Astra | 一世代前(GPT-5.6 Sol) |
|---|---|---|
| FrontierMath Tier 4(数学) | 98% | 80.5% |
| ARC-AGI-3(抽象的な推論) | 99.9% | 7.8% |
| ExploitBench | 100% | — |
| OSWorld 2.0(コンピュータ操作) | 72.6% | 65.7% |
⚠️ ただしすべての測定で上回ったわけではありません。Humanity's Last Exam という試験では57.2%で、他社のモデルを下回っています。測定項目によって順位が入れ替わります。
セキュリティの扱いが変わりました
今回いちばん踏み込んだ発表は、この点だと思われます。
OpenAIは自社の枠組みで、Astra のサイバーセキュリティ能力を「Critical(重大)」に分類しました。同社のモデルでこの水準に達したのは初めてです。
公式の説明によると、道具と権限が揃えば、未知の脆弱性を見つけ、よく守られた多数の仕組みに対して新しい攻撃手法を組み立てられるとされています。しかも人が一手ずつ導かなくてもできる、と書かれています。
そのため危険性の高い機能には制限がかかります。正規のセキュリティ研究者には、「OpenAI Daybreak」という枠組みを通じて数週間かけて開放されます。
あわせて、指示を迂回させる働きかけへの耐性も強化されたとしています。サイバー関連の迂回試験では、Astra が91.5%の要求を拒否したのに対し、一世代前は59%でした。
開発者向け
APIでの料金は、入力100万トークンあたり10ドル、出力100万トークンあたり50ドルです。
扱える文脈の長さは105万トークン(うち入力は最大92万2,000トークン)、一度に出せるのは最大12万8,000トークンです。学習に使った情報は2026年4月30日までとなっています。
見ておきたいところ
能力の伸びと、危険性の分類が同時に発表されたのが今回の特徴です。ARC-AGI-3 が7.8%から99.9%へという伸び方は極端で、この試験が事実上「解けてしまった」ことを意味します。
一方で「Critical」の分類は、開放の範囲を自分で狭めるという判断でもあります。能力が上がるほど、誰にどこまで渡すかという線引きが前に出てくる、という形が見えます。




