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AI

NVIDIA、欧州の科学研究支援活動に参加——AIインフラや研修を提供

要約

NVIDIAは2026年10月15日、欧州委員会が開始した「AI in Science Enablers Initiative」に参加し、欧州の研究者向けにオープンソース技術、計算リソース、トレーニングなどを提供すると発表しました。欧州ではNVIDIAの技術を使うスーパーコンピュータ35台が開発中だとしています。

NVIDIAは2026年10月15日、アイルランド・ダブリンで開催された「AI in Science Summit」で、欧州委員会が立ち上げた「AI in Science Enablers Initiative」に参加すると発表しました。この取り組みは、欧州の研究コミュニティに対して民間セクターの支援を結び付ける枠組みで、「RAISE(Resource for AI Science in Europe)」に関連するものです。NVIDIAはこのキャンペーンに加わり、加速コンピューティングのツールやモデル、計算リソース、クラウド資源、データ、トレーニング、技術サポート、スタートアップ支援などを提供します。

オープンソース技術への取り組み

NVIDIAの支援は、まずオープンソース技術から始まります。同社はこれまでに250以上のオープンモデル、250以上のオープンデータセット、1,400以上のオープンソースソフトウェアプロジェクトを公開しています。これらは大規模言語モデル、ヘルスケア、ロボティクス、気候科学、物理AI、自動運転車、科学研究などの分野に及び、モデルとデータセットはHugging FaceとGitHubで入手できます。

研究者は、このオープンなエコシステムを基盤に、NVIDIA Nemotron(アーキテクチャ、オープンウェイト、オープンソースモデル、トレーニングデータ、レシピのファミリー)を用いてエージェント型推論能力を構築できます。さらに、生物学や化学、分子設計、天気・気候、エネルギー、工学、物理学、材料科学の研究を加速するため、NVIDIA BioNeMo Agent Toolkit、NVIDIA PhysicsNeMoライブラリ、NVIDIA Earth-2モデル、NVIDIA ALCHEMI NIMマイクロサービスなどの科学用ソフトウェアも利用できます。

スキルとトレーニング

欧州全体に高度な知能技術を普及させるには、計算資源と同じように自由に流通する知識が必要だとNVIDIAは考えています。同社のDeep Learning Instituteは、加速コンピューティングとディープラーニングを扱う実践的なコース教材をまとめた新しいオープンソースのコースウェアハブを立ち上げました。この教材は無料でダウンロードでき、オープンライセンスで提供され、登録や料金、期限は不要です。

モジュール式に設計されており、大学のカリキュラムやスーパーコンピューティングセンターのブートキャンプ、開発者コミュニティのイベントなどに合わせて調整できます。NVIDIAのより広範なトレーニングおよび認定プログラムへの橋渡しの役割も果たします。

計算リソースへのアクセス

NVIDIAはクラウドインフラパートナーや欧州各国のAIファクトリー(フランス、スペイン、スウェーデンなど)と協力し、スタートアップや中小企業(SME)が欧州の主権的な計算資源とサービスにアクセスする新たな経路を開いています。

スタートアップ向けプログラム「NVIDIA Inception」は、計算資源と技術サポートへのアクセスを提供し、高性能インフラと技術教育を求めるスタートアップの参入障壁を下げます。フランスのAI2Fは、Inceptionプログラムと4カ月間連携した最初のAIファクトリーで、良好な結果を示したとのことです。スペインのBSC AI Factoryはパイロットを実施し、現在最初の本格的なアクセラレータプログラムを展開中で、2027年にはほかの欧州各国のAIファクトリーがこの形を取り入れることに関心を示しているとしています。スウェーデンAIファクトリーは、NVIDIAと協力し、Inceptionスタートアップや中小企業にインフラと専門知識を開放します。

さらに、CINECAやJSCなどのEuroHPCスーパーコンピューティングセンターは、学術界やスタートアップにNVIDIA GPUインフラとサービスへの無料アクセスを提供しています。NVIDIAはこれに加えて、オフィスアワーやブートキャンプ、ハッカソンを提供し、研究者が自前のデータセットでモデルを微調整できるよう支援します。今月は、オーストリア科学計算センター、ライプニッツ・スーパーコンピューティングセンター、シュトゥットガルト高性能コンピューティングセンター、キプロス研究所と共同で、Pharos-CY向けの欧州AIハッカソンを共催しています。

AIインフラの拡大

NVIDIAによると、欧州ではNVIDIAの技術を使うスーパーコンピュータ35台が開発中で、同社はこれを欧州で単年度として最大規模のスーパーコンピューティング能力の構築だとしています。これらのシステムは合計で300万人以上の研究者に次世代インフラを提供し、気候科学、創薬、材料研究などさまざまな分野の発見を加速できるとNVIDIAは説明しています。

欧州委員会のスタートアップ・研究・イノベーション担当委員であるEkaterina Zaharieva氏は、「欧州の科学におけるAIへの野心は、研究コミュニティ、産業界、その他のパートナーの強みを結集して初めて現実のものとなる」と述べ、「AI in Science Enablersキャンペーンを通じて、この野心を具体的なコミットメントに変え、研究者がイノベーションに必要なツール、専門知識、資源にアクセスできるようにする」とコメントしています。

どう見るか

今回の発表では、NVIDIAが欧州の研究コミュニティに対して提供する具体的な支援内容が明らかにされました。オープンモデルやオープンソースソフトウェア、トレーニング教材、計算資源へのアクセス手段、AIファクトリーとの連携、スーパーコンピュータの開発状況などが公表されています。

一方で、今回の資料には、これらの支援にかかる具体的な費用や提供期間、NVIDIAの投資額などは記載されていません。また、AI2Fの「良好な結果」やBSC AI Factoryへの「関心の高まり」には、それを示す数字が添えられていません。35台のスーパーコンピュータの完成時期や性能詳細も、この資料には記載されていません。

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