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量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 13:45(日本時間)
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クオンタムビュー

【クオンタムビュー】8月19日|量子優位性の検証・実運用・提携、進展段階は様々

要約

IBMの70量子ビット実験を古典計算で37分再現した検証結果、NTT DOCOMOがD-Waveで2つ目の商用アプリを導入し65.3%のシグナリング削減を実現した事例、IonQとCMC Microsystemsによるカナダ全土2億1,700万カナダドル規模の量子アクセス覚書を取り上げます。

有沢AI・進行

8月19日の「クオンタムビュー」です。この24時間に入ってきた量子コンピュータ関連のニュースは全部で17本。まずはその全体をざっと紹介して、そのあと気になったものを久保田さんと詳しく見ていきます。

有沢AI・進行

それでは17本、まとめてご紹介します。

まず研究成果から。IBMのdoped Clifford量子サンプリング実験を古典計算で再現、37分でXEB検証に成功という報告がありました。単一量子ビットで古典信号を学習する指数的量子優位性の実証では、測定回数を10の7乗分の1に削減できることが示されています。窒化シリコン・マイクロリング共振器で生成したスクイーズド光をオンチップで量子測定という成果も出ています。

続いてハードウェアの基礎研究を4本。Kerr非線形性を利用してキャビティ周波数ノイズを抑制する受動的安定化技術が実証されました。真空ラビ振動を介した光子と離れたスピン間の制御可能な相互作用が観測されています。多体量子Mpemba効果を用いた量子ハードウェアの検証と較正という新しい較正手法が提案されました。超伝導量子ビット内の高速な二準位系ダイナミクスを適応的分光で解明という研究も報告されています。

誤り訂正関連を2本。高性能コンピューティングを用いた量子誤り訂正符号のリアルタイム復号アーキテクチャ「THQLink」が提案されました。Zero-G:プリデコーダを前提に設計された量子誤り訂正用高速デコーダも発表されています。

企業の動きです。EclypsesとSterlingが提携、連邦政府システム全体にペイロードレベルのポスト量子暗号を展開という発表がありました。Infleqtion、コロラド州にグローバル本社を開設し、2027年量子センシング鉱物地帯実地試験を発表しています。Quantinuum、アルバカーキの研究開発拠点拡張のため市および州のLEDA資金150万ドルを確保しました。IonQ、CMC Microsystemsと協業しカナダ全土でのクラウド量子アクセス拡大へという提携も発表されています。OTI LumionicsとSamsung Advanced Institute of Technology、単一サーバーハードウェアで200量子ビット超の論理量子ビット量子エミュレーションを達成したとのことです。Texas Quantum PartnersとSamara、オースティンのOccam Foundryテックキャンパスのサイトマスタープランを発表しました。NTT DOCOMOが通信ネットワークシグナリング最適化のための2つ目のD-Wave商用・実運用量子アプリケーションを導入したという発表もあります。Quantum Motion、米国における商業・国防事業の拡大に向けメリーランド州のDiscovery Districtに進出しました。

以上、17本でした。この中から今日は、IBMのdoped Clifford量子サンプリング実験を古典計算で再現、NTT DOCOMOの2つ目のD-Wave商用量子アプリケーション、IonQとCMC Microsystemsのカナダでの協業の3本を詳しく見ていきます。まずは1本目からです。

有沢AI・進行

IBMのdoped Clifford量子サンプリング実験を古典計算で再現についてです。研究チームは70量子ビット、468個のTゲートを含むIBMの実験を、32ノード・256基のGPUを使って37.3分で古典的に再現しました。得られたlog-XEB推定値は0.35034で、IBMが示していたフィデリティの下限と数値的に一致したということです。

久保田さん、この「古典計算で再現できた」という結果は、量子コンピュータの優位性にとってどういう意味を持つのでしょうか。

久保田AI・解説

一言でまとめると、この結果は「IBMの実験そのものが偽物だった」という話ではなく、「Tゲートを混ぜても古典計算の難しさがほとんど増えない場合がある」ことを示した点が変わったところです。Tゲートは古典計算では簡単すぎる操作に少しだけ混ぜる不純物のようなものですが、今回の手法ではその数や配置が計算コストに影響しませんでした。まだ示されていないのは、この手法が他の回路構成や、もっとTゲートを増やした設計にも通用するかどうかです。そこが分かれば、量子優位性の境界線がどこにあるのか、より確かな見積もりになります。

有沢AI・進行

今の「不純物」という言葉、簡単に言うと計算をわざと難しくするために回路に混ぜる特別な操作のことですね。つまり、Tゲートを増やしても今回の手法では古典計算の手間がほとんど変わらなかった、ということですね。

有沢AI・進行

NTT DOCOMOが通信ネットワークシグナリング最適化のための2つ目のD-Wave商用・実運用量子アプリケーションを導入についてです。NTT DOCOMOは、D-Wave Quantum Inc.のハイブリッド量子アニーリング技術を使い、2つ目の商用・実運用アプリケーションを導入しました。333の基地局、3つのトラッキングエリアリスト、9つのトラッキングエリアという実運用規模のベンチマークで、1日あたりピーク時の位置登録シグナリングを65.3%、ページングシグナリング負荷を7.0%削減し、この最適化計算を約5分で完了させたということです。この構成は、9,300万件を超えるモバイル契約を支える実際のネットワーク運用に統合されています。

久保田さん、位置登録シグナリングを減らすとページング負荷が増えるという、いわばトレードオフの関係にある2つの数値を、今回は両方とも改善できたということでよろしいでしょうか。この結果は何が効いてこうなったのでしょうか。

久保田AI・解説

この発表で変わるのは、DOCOMOのD-Wave活用が個別のページング最適化から、位置登録とページングという相反する2つの指標を同時に扱う全国規模の最適化へ広がった点です。トレードオフの解消は、多目的最適化を古典ヒューリスティックではなくハイブリッドソルバーに任せたことが効いたと見られます。ただし比較対象の古典手法が同じ5分でどこまで迫れるかは示されていません。そこが分かれば量子アニーリングの実利がより明確になります。

有沢AI・進行

「ハイブリッドソルバー」というのは、量子と従来型の計算を組み合わせて解く仕組みのことですね。つまり、量子と古典を組み合わせた計算方法によって、相反する2つの数値を同時に改善できた一方、古典手法だけでどこまで迫れるかはまだ分からない、ということですね。

有沢AI・進行

IonQ、CMC Microsystemsと協業しカナダ全土でのクラウド量子アクセス拡大へについてです。イオントラップ型量子コンピューティングのIonQは、CMC Microsystemsと覚書を締結し、カナダ政府が2億1,700万カナダドルを投じるFABrIC Quantum Computing Sandboxに商用量子システムを統合します。これによりカナダの研究者や中小企業は、プロジェクトごとに最大10万ドルのクラウドクレジットを使い、IonQのプロセッサ上でアルゴリズムを実行できるようになります。

久保田さん、この覚書は拘束力のない枠組みとのことですが、実際にカナダの研究者や企業がIonQのハードウェアを使えるようになるまでに、次に何が必要になるのでしょうか。

久保田AI・解説

一言でまとめると、この覚書はカナダの研究者や中小企業がIonQのハードウェアに触れる入り口を作った、という段階です。拘束力のない枠組みなので、実際に変わるのはアクセス経路が増えたことで、まだ計算資源が動いたわけではありません。次に必要なのは、この枠組みが正式な契約に落ちて、クラウドクレジットの配分やプロジェクト採択が始まることです。そこまで進めば、カナダの量子ソフトウェア開発が実機で試せる段階に入ったと言えます。先ほどのDOCOMOの事例のように、実運用に組み込まれた例が出てくるかどうかが、今後の見どころです。

有沢AI・進行

「拘束力のない枠組み」というのは、まだ正式な契約ではなく、協力の方向性を確認した段階ということですね。つまり、今回の覚書はアクセスの入り口ができた段階で、実際に使えるようになるのはこれからだ、ということですね。

久保田AI・解説

今日の3本は、無理に1つの流れにまとめない方がよいと思います。IBMの実験再現は量子と古典の境界線を測り直す研究、DOCOMOの事例はすでに実運用に組み込まれた成果、IonQとCMC Microsystemsの覚書はこれから使えるようになる入り口の話です。段階も性格もばらばらです。次に見ておくべきは、DOCOMOの事例のように、IonQのカナダでの枠組みから実際に実運用へ組み込まれた例が出てくるかどうかです。

有沢AI・進行

段階の異なる3本を並べてみると、量子技術がどこまで来ているかがよく分かりますね。明日の夜もこの時間に、クオンタムビューでお会いしましょう。

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