半導体の技術者が集まる技術フォーラム Design Solution Forum 2026(DSF2026)で、blueqat 代表取締役 CEO の湊雄一郎が 「半導体量子コンピュータの設計、論理合成、制御の最前線」 と題して講演します。2026年10月6日(火)17:00〜17:30、パシフィコ横浜ノース4F の Room B です。
量子コンピュータを「半導体の設計」の言葉で語る30分です。スピン量子ビットの動かし方から、それを量子回路に落とし込む論理合成、4K の極低温で動く制御チップの命令セットまで、ハードとソフトの両面を一続きで扱います。聴講は講演ごとの予約制で、すでに受付を終えた講演もあります。参加を考えている方は、早めに参加登録と聴講予約をお済ませください。
開催概要
| 講演名 | 半導体量子コンピュータの設計、論理合成、制御の最前線 |
| 講師 | 湊雄一郎(blueqat株式会社 代表取締役 CEO) |
| 日時 | 2026年10月6日(火)17:00〜17:30(講演番号 B-8) |
| 会場 | パシフィコ横浜ノース 4F・Room B(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-2) |
| 形式 | 現地のみ(オンライン配信はありません) |
| イベント | Design Solution Forum 2026(10:00〜17:30) |
| 講演後 | 交流パーティー 17:40〜19:00(現地会場のみ) |
| 主催 | 特定非営利活動法人DSF |
講演はその日の Room B の最後の枠で、終わるとそのまま交流パーティーに移れます。講演で気になったことを、その場で直接聞ける時間があるということです。
申し込みの手順(3つ)
- 参加登録:DSF2026 の参加登録ページから登録します
- 聴講予約:登録完了のメールに書かれた情報でログインし、タイムテーブルで B-8「半導体量子コンピュータの設計、論理合成、制御の最前線」 を予約します
- 入場 QR コードの発行:会場に来る人は、入場用の QR コードを発行して持っていきます。QR コードは開催の1週間前から発行できます
参加登録だけでは講演の席は確保されません。2 の聴講予約まで済ませてください。
講演で扱うこと
講演の案内には、次の3つが挙げられています。
- Exchange-only(交換のみ)方式:スピン量子ビットを、マイクロ波ではなく、隣り合う電子どうしの「交換相互作用」だけで操作する方式の仕組み
- 論理合成:その時間発展(量子ビットの状態がどう変わっていくか)を、量子回路へ落とし込む技術の最新の流れ
- クライオ CMOS の命令セット(ISA):4K の極低温で動く CMOS の制御回路に、どんな命令の体系を持たせるか
どれも、量子コンピュータを「つくる」側、つまり半導体の設計・検証・制御に携わる人の仕事に近い話です。
なぜ今、半導体の量子コンピュータなのか
量子コンピュータには、超伝導、イオントラップ、中性原子など、いくつかの方式があります。その中でシリコンのスピン量子ビットが注目されているのは、今ある半導体の工場と技術で作れる見込みがあるからです。量子ビットが小さく、数を増やすときに、半導体の微細化の積み重ねをそのまま生かせます。
ただ、量子ビットを極低温で動かすと、別の壁にぶつかります。量子ビット1つごとに室温の装置から配線を引くと、配線の数と、そこから入り込む熱が増え続けます。そこで、制御回路そのものを冷凍機の中の 4K の段に置く「クライオ CMOS」が要になります(仕組みは【教えて先生】クライオCMOSとは何かで解説しています)。
制御回路を冷凍機の中に置くなら、その回路にどんな命令を持たせ、量子回路をどう命令に変換するかを決めなければいけません。量子ビットの物理(Exchange-only)、回路への変換(論理合成)、制御回路の命令の体系(ISA)が一本につながって、はじめて動く計算機になります。今回の講演は、このつながりを半導体設計の目線で扱います。
最近の動き
この数か月、シリコンのスピン量子ビットをめぐって大きな動きが続いています。当サイトで報じたものから、講演の内容に近いものを挙げます。
Exchange-only と 4K の制御チップの組み合わせが、実機で動き始めました。 HRL Laboratories は、室温の外部電子機器なしで自律動作する18量子ビットのシリコン量子プロセッサを Nature 誌で発表しました。54個の量子ドットを最大18個の Exchange-only 量子ビットとして使い、4K で動く 130nm の RF-CMOS 制御装置(7,000万トランジスタ、消費電力 3.5W 未満)で制御しています。その HRL を、IBM が買収することで合意し、買収を完了しました。超伝導の IBM が、シリコンのスピン量子ビットも手に入れた形です。
300mm の量産ラインでの試作が進んでいます。 Diraq と imec は300mm の CMOS 製造ラインで作った8量子ビットのアレイを実証しました。Quobly はSTMicroelectronics の 300mm FD-SOI ラインで作ったチップで、読み出しと1・2量子ビットゲートを1チップで示し、シリーズAで1億1,500万ユーロを調達しています。
ソフトウェアの側からも、ハードウェアへの変換が詰められています。 Quantum Motion は、シリコンスピンの構成をNVIDIA CUDA-Q Logical のコンパイラと統合し、量子誤り訂正を考慮したハードウェア命令への変換を自動化しました。
日本でも動いています。 日立はIntel・産総研と組み、シリコンスピン量子ビットの産業化を目指す NEDO の事業に選ばれています。
量子ビットの物理、製造、制御回路、変換のソフトウェアが、同時に「産業の話」になり始めています。講演は、そのつなぎ目の技術を30分で見渡せる機会です。
こんな方におすすめです
- 半導体の設計・検証に携わる方:量子コンピュータの制御回路やクライオ CMOS が、自分の技術とどうつながるかを知りたい方
- 論理合成・EDA に関わる方:量子回路への変換が、古典の論理合成とどこが同じで、どこが違うのかに関心がある方
- 組み込み・制御の技術者:極低温で動く制御回路の命令セットという、新しい設計対象に関心がある方
- 研究開発・事業企画の方:半導体の量子コンピュータが、どこまで実用に近づいているのかを押さえておきたい方
量子力学の専門知識は前提にしていません。半導体の設計や回路の言葉で聞ける内容です。
講師
湊雄一郎(blueqat株式会社 代表取締役 CEO)
量子コンピュータのソフトウェアとアプリケーションの開発に取り組む blueqat の代表です。当サイトでは、量子回路を論文から1ゲートずつ組み上げる連載「ゼロから学ぶショアのアルゴリズム」を寄稿しています。
同じ日の量子関連の講演
DSF2026 では、同じ日に株式会社東芝の後藤隼人氏も「量子インスパイアード技術の最前線と産業応用」(講演番号 E-2、11:35〜12:05)を講演します。量子の話を1日で2つ聞けます。
参加登録はこちらから
- 日時:2026年10月6日(火)17:00〜17:30(講演番号 B-8)
- 会場:パシフィコ横浜ノース 4F・Room B(現地のみ)
- 手順:参加登録 → ログインしてタイムテーブルで B-8 を聴講予約 → 開催1週間前から入場 QR コードを発行
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イベントについての問い合わせは、DSF の運営([email protected])までお寄せください。

