こんばんは、クオンタムビューです。10月7日の夜になりました。今日入ってきたニュースは全部で18本。まずは全体をざっとご紹介して、そのあと気になったものを詳しく見ていきます。
それでは、今日の18本をまとめてご紹介します。OpenAIがAtlassianとの提携拡大を発表しました。OpenAI、Atlassianとの提携拡大を発表——GPT-6ファミリーをAtlassianプラットフォーム全体に統合 次に、Infleqtionという企業の紹介記事です。Infleqtionとは? Mistral AIが大規模言語モデルのプレビュー提供を始めました。Mistral AI、「Mistral Large 4」のプレビュー提供を開始——100万トークン対応、重みは今月末に公開予定 量子関連10銘柄の市場動向です。【クオンタムマーケット】10月6日|量子関連10銘柄、上昇7・下落3、平均+2.15% ドイツの大学がハイブリッド量子システムの研究プロジェクトを開始しました。ライプニッツ大学ハノーバー校、ハイブリッド分子-リュードベリ量子システムを開発するため580万ユーロ(653万米ドル)のHybriQCSプロジェクトを開始 新興企業DecaQが新しいクラウドプラットフォームを発表しました。DecaQ、400論理デジタル量子ビットとオラクル実行エンジンを搭載したCloud Beta 2プラットフォームを発表 QuantumGateとNEC GCCがUAEの重要インフラ向けに耐量子サイバーセキュリティを展開します。QuantumGateとNEC GCC、UAEの重要インフラ全体に主権型耐量子サイバーセキュリティを展開するため協力 KISTが韓国の量子スタートアップを米国中西部と結びつけました。KIST、韓国の量子スタートアップをウィスコンシンとシカゴにわたる中西部エコシステムと結ぶ Pasqalが欧州のパイロットライン計画を実行段階に移しました。Pasqal、欧州の中性原子チップ向け5,000万ユーロのQ-PLANETパイロットラインを実行段階へ移行 SEALSQが宇宙技術企業への投資を主導しました。SEALSQ、WISeSatへの1,000万ドルPIPE投資を主導し、耐量子宇宙サイバーセキュリティ基盤を加速 InfleqtionがHoneywell AerospaceやUC Santa Barbaraと共同で新しい光キャビティを開発しました。Infleqtion、Honeywell Aerospace、UC Santa Barbaraがハンドヘルド量子ハードウェア向けチップスケール窒化シリコン光キャビティを開発 フロリダ・アトランティック大学がNISTから助成金を受け、量子サイバーセキュリティ人材を育成します。フロリダ・アトランティック大学、南フロリダの量子サイバーセキュリティ人材エコシステム構築のためNIST助成金を受領 XanaduがGlobalFoundriesと提携し、製造をスケールさせます。Xanadu、GlobalFoundriesと提携し300mm半導体ラインでのフォトニック量子コンポーネント製造をスケーリング RapidFortとSpaceWERXが米国宇宙軍のシステムを守るための契約を結びました。RapidFortとSpaceWERX、AIの脆弱性と耐量子暗号リスクから米国宇宙軍システムを守るためCRADAを締結 Zapata QuantumがIBM Quantum Networkに参加しました。Zapata Quantum、IBM Quantum Networkに参加し、エンタープライズ・アプリケーション開発を加速 量子誤り訂正の新しいシミュレーション手法が発表されました。非クリフォード量子誤り訂正の多項式時間シミュレーション TIIがアラビア語方言に特化した言語モデルを発表しました。TII、アラビア語アミール方言に特化したLLM「Falcon-Emirati-7B」を発表——方言と文化の理解で高スコア そして、OpenAIがChatGPT向けの新しい広告フォーマットを発表しました。OpenAI、ChatGPT向け新ビジュアル広告フォーマットと測定機能の拡充を発表——1.2億人超の利用者基盤で広告事業を強化 この中から、詳しく見ていく3本を選びました。1本目はPasqalのQ-PLANETパイロットライン、2本目はXanaduとGlobalFoundriesの提携、3本目はQuantumGateとNEC GCCの協力です。では、1本目から読み上げます。
1本目です。中性原子量子コンピュータ企業のPasqalが、欧州連合などから3年間で5,000万ユーロ、約5,720万米ドルの出資を受けるQ-PLANET計画を実行段階に移しました。欧州11か国の28のパートナーと共に、量子チップ用の集積レーザーや原子チップ、標準化された製造工程を開発します。Pasqal、欧州の中性原子チップ向け5,000万ユーロのQ-PLANETパイロットラインを実行段階へ移行 久保田さん、この計画が動き出すことで、欧州の量子コンピュータ開発にどんな変化が起きるのでしょうか?
有沢さん、この計画が動き出すことで、量子コンピュータの部品をラボの試作から産業規模の製造に移すための基盤が整うという点が大きいですね。これまで中性原子方式は、レーザーや原子チップを個別に作っていましたが、今回のパイロットラインでは、それを半導体ファウンドリで標準化して作ることを目指しています。ただ、まだ示されていないのは、このパイロットラインで作られた部品が実際に期待通りの性能を発揮するかどうかです。次に、標準化された製造工程で作られたレーザーや原子チップを搭載した量子コンピュータが、安定して動作するという実証が出てくれば、この計画は決定的になるでしょう。
久保田さんのお話で、『パイロットライン』という言葉が出てきましたが、これは試験的に小規模で生産ラインを動かすことを指します。つまり、量子コンピュータの部品を量産する前段階の試作ラインが、欧州で本格的に動き出すということですね。
2本目です。光量子コンピュータ企業のXanaduが、半導体ファウンドリのGlobalFoundriesと複数年の製造提携を発表しました。ラボ規模の試作を300mmの商用半導体ラインでの量産に移し、超低損失の窒化シリコン光回路と超伝導ナノワイヤ単一光子検出器を工業生産します。Xanadu、GlobalFoundriesと提携し300mm半導体ラインでのフォトニック量子コンポーネント製造をスケーリング 久保田さん、この提携で光量子コンピュータの製造はどう変わるのでしょうか?
有沢さん、この提携で、光量子コンピュータの部品を半導体の量産ラインで作れるようになるという点が画期的です。これまで光量子コンピュータは、特殊な部品を一つずつ手作りしていましたが、300mmの半導体ラインを使えば、一度に大量に作れます。ただ、まだ示されていないのは、その量産された部品が、ラボで作られたものと同じ性能を維持できるかどうかです。次に、このラインで作られた光回路と検出器を搭載した量子コンピュータが、実際にエラー率などの目標を達成したというデータが出てくれば、この製造方式が本命になると言えるでしょう。
久保田さんのお話で、『窒化シリコン光回路』という言葉がありましたが、これは光の通り道をチップ上に作ったもので、電気の配線ではなく光で信号を送るための部品です。つまり、光量子コンピュータの部品を半導体工場で量産する道筋ができた、ということですね。
3本目です。アブダビを拠点とする量子安全セキュリティ企業のQuantumGateが、NECのGCC支社と戦略的協力関係を結びました。UAEの重要インフラや通信事業者全体に、耐量子暗号(PQC)と呼ばれる、将来の量子コンピュータでも解読されにくい暗号技術と、アイデンティティ管理、サイバーレジリエンスのソリューションを展開します。QuantumGateとNEC GCC、UAEの重要インフラ全体に主権型耐量子サイバーセキュリティを展開するため協力 久保田さん、この協力が意味するものは何でしょうか?
有沢さん、この協力で、UAEの重要インフラが将来の量子コンピュータによる解読リスクに備える具体的な枠組みが動き出したと言えます。これまで耐量子暗号は研究段階が多かったですが、今回のようにシステムインテグレーターと組んで、実際のインフラに展開する計画が発表されたのは一歩前進です。ただ、まだ示されていないのは、このソリューションが実際にどの機関で採用されるか、そして導入後にどれだけの効果を上げるかです。次に、政府機関やエネルギー企業などでの具体的な導入事例が発表されれば、この分野が本格的に動き出すと言えるでしょう。
久保田さんのお話で、『サイバーレジリエンス』という言葉がありましたが、これはサイバー攻撃を受けてもすぐに復旧できる能力のことです。つまり、UAEの重要インフラが量子コンピュータにも耐えられる暗号に移行するための、具体的な枠組みが発表された、ということですね。
有沢さん、今日の3本を並べると、量子技術が研究室から実際の社会や産業に移るための『橋渡し』の動きが目立ちました。Pasqalは製造のパイロットライン、Xanaduは半導体での量産、QuantumGateは実インフラへの暗号導入と、それぞれ段階は違いますが、いずれも『実際に使えるようにする』ための取り組みです。ただ、それぞれが別々の技術領域なので、ひとつの流れにまとめるのは無理があります。次に見ておくべきは、これらの計画が実際に動き出して、製品や導入事例といった具体的な成果が出てくるかどうかでしょう。
今日の米国市場です。量子関連10銘柄の終値は、上昇7、下落3、変わらず0でした。平均は+2.15%です。いちばん上げたのはXanaduで+11.95%、いちばん下げたのはArqitで-1.06%でした。値動きの理由は、今日のニュースで扱ったとおりです。
久保田さん、今日は量子技術の『橋渡し』の動きが見えた夜でしたね。明日の夜も、この時間にクオンタムビューでお会いしましょう。



