今日は9月27日のクオンタムビューです。今夜入ってきたニュースは全部で14本あります。まず全体をざっとご紹介してから、気になったものを詳しく見ていく流れです。
今夜の放送では、量子コンピュータ関連の発表が目立ちました。まず、AIモデルの発表から4本まとめてご紹介します。
AnthropicがClaude Opus 5.5を公開しました。単価を2割下げ、出力は3割以上速くなっています。Anthropic、Claude Opus 5.5を公開——単価を2割下げ出力は3割速く、GPT-6 Astraが上回る評価も
OpenAIがGPT-6 SolとLunaを公開しました。API料金は前の世代の半額です。OpenAI、GPT-6 SolとLunaを公開——API料金は前の世代の半額、評価は自社測定
SpaceXAIがGrok 4.7を公開しました。料金は据え置きのまま、前版から全項目で点数が上がっています。SpaceXAI、Grok 4.7を公開——料金は据え置きで前版から全項目向上、首位は法務と電気工学
Xiaomiが1兆パラメータの「MiMo-V2.6-Pro」をMITライセンスで公開しました。前版から大きく伸びています。Xiaomi、1兆パラメータの「MiMo-V2.6-Pro」をMITで公開——前版から大きく伸び、他社の最上位とは試験ごとに勝ち負け
続いて、音声・ハードウェア・画像の発表です。
NVIDIAが話者分離モデル「Nemotron 3 Diarization」を公開しました。最大8人を0.32秒遅延で分離でき、誤り率は14.72%です。NVIDIA、話者分離モデル「Nemotron 3 Diarization」を公開——最大8人・0.32秒遅延で誤り率14.72%、首位は英語22時間の評価
Googleがノートパソコンの新分類「Googlebook」の予約を開始しました。5社から899ドルで、米国では10月4日発売です。Google、ノートパソコンの新分類「Googlebook」を予約開始——5社・899ドルから、AndroidにChromeOSの仕組みを合わせる
AlibabaのQwenが画像の生成と編集を1つにした「Qwen-Image-2.1」を公開しました。商用には別契約が必要です。AlibabaのQwen、画像の生成と編集を1つにしたQwen-Image-2.1を公開——生成部7B・透過画像に対応、商用は別契約
次に、量子コンピュータの解説記事が4本あります。
Alice & Bobの解説記事です。フランスのスタートアップで、キャット量子ビットを開発しています。Alice & Bobとは?
ショアのアルゴリズムの連載が3本あります。第3回は剰余加算器を量子回路で組む話です。【寄稿】ゼロから学ぶショアのアルゴリズム(第3回):剰余加算器を量子回路で組む
第2回はblueqat SDKで量子加算器を自動生成する話です。【寄稿】ゼロから学ぶショアのアルゴリズム(第2回):blueqat SDKで量子加算器を自動生成する
第1回は全体フローと量子回路の役割です。【寄稿】ゼロから学ぶショアのアルゴリズム(第1回):全体フローと量子回路の役割
そして、市場と企業の動きです。
9月25日の米国市場では、量子コンピュータ関連10銘柄のうち6銘柄が上昇し、平均は+0.55%でした。【クオンタムマーケット】9月25日|量子コンピュータ関連10銘柄、6上昇4下落 平均+0.55%
Pasqalが2026年上半期の財務結果を報告しました。収益は前年比13.7%増の487万ユーロ、SPAC後現金残高は約3億1290万ユーロです。Pasqal、2026年上半期の財務結果を報告:SPAC後現金残高3億1290万ユーロ、収益成長14%、1,000原子規模
今夜はこの中から3本を詳しく見ていきます。1本目はPasqalの財務結果、2本目はクオンタムマーケット、3本目はイベント情報です。それでは、1本目から読み上げます。
Pasqalが2026年上半期の財務結果を報告しました。Pasqal、2026年上半期の財務結果を報告:SPAC後現金残高3億1290万ユーロ、収益成長14%、1,000原子規模 収益は487万ユーロで前年比13.7%増、QPU関連サービスは34%増えています。SPAC合併を8月27日に完了し、現金残高は約3億1290万ユーロに強化されました。営業損失は前年比で約2倍に拡大していますが、これは株式報酬や上場に伴う一時費用が含まれるためです。ハードウェアでは1,024原子の実証も報告されています。
久保田さん、SPAC後の現金残高3億1290万ユーロは、この会社の今後の計画をどれだけ支える規模なんでしょうか。
この数字で何が変わるかというと、Pasqalが上場後の当面の運転資金を確保した、ということです。約3億1,290万ユーロという残高は、量子コンピュータの開発を数年単位で続けるには十分な規模です。1,024原子の実証も、資金が枯渇しないまま次のマイルストーンに進めるという意味で、財務と技術が両輪で前に進んだと言えます。
ただ、まだ示されていないのは、この資金でいつまでに何を実現するかという具体的な計画です。営業損失が拡大しているのは株式報酬や上場費用が主因ですが、事業自体の赤字がどの程度なのかは、この数字からは分かりません。次に、四半期ごとの収益の伸びと、キャッシュの消費ペースが公表されれば、資金の十分さを判断できるはずです。
はい、久保田さん。専門用語でいちばん分かりにくいのは「運転資金」です。これは「会社が日々の活動を回していくために使うお金」という意味です。つまり、上場で調達した約3億1290万ユーロで、当面の開発を続けるためのお金を確保した、ということですね。
9月25日は、量子コンピュータ関連10銘柄のうち6銘柄が上がり、平均で+0.55%と、小幅な上昇の一日でした。Arqitが+6.40%と大きく上げましたが、当サイトの記事では説明できない動きで、ほかの銘柄はいずれも±2.5%以内にとどまっています。つまり、この日だけで何かが変わったとは言えず、方向感が分かれただけです。
まだ示されていないのは、この動きが短期的な変動なのか、何かの傾向の始まりなのかです。特にXanaduは6日続けて下落していますが、その理由は記事にありません。次に、個別企業の業績や技術発表が続き、株価がそれに沿って動く姿が見えれば、市場が何を評価しているのか判断できます。Pasqalの財務結果が同じ日に出ていますが、市場全体がそれにどう反応したかは、この数字からは分かりません。
「±2.5%以内にとどまっている」というのは、上げ下げの幅がせいぜい2.5%程度までしかなかった、つまり値動きが小さかったという意味です。つまり、Arqitを除けばどの銘柄も小幅な動きで、方向感が分かれた一日だった、ということですね。
3本目です。10月6日午後5時から、パシフィコ横浜で「半導体量子コンピュータの設計、論理合成、制御の最前線」と題した講演が開かれます。【イベント情報】10月6日・パシフィコ横浜で「半導体量子コンピュータの設計、論理合成、制御の最前線」——Exchange-only、論理合成、4KのクライオCMOSまで30分で(DSF2026・湊雄一郎) 講師はblueqatの湊雄一郎さんです。スピン量子ビットのExchange-only方式、量子回路への論理合成、4Kの極低温で動くクライオCMOSの命令セットを、30分で扱います。現地のみで、講演ごとの予約制です。
久保田さん、この講演は半導体設計の技術者向けのフォーラムの中で開かれます。量子コンピュータの話を半導体の言葉で聞けるのは、どういう利点があるんでしょうか。
半導体の設計者の仕事の延長線上に、量子コンピュータの話が置かれる、というのがこの講演の利点です。Exchange-only方式、論理合成、クライオCMOSの命令セットまで、量子ビットの物理から制御回路の設計までが一本でつながる構成なので、量子の専門家ではない半導体技術者が、自分の技術の延長として量子コンピュータを捉えられるようになります。これまで量子の専門家向けだった話題が、産業の現場の言葉に翻訳される点で大きいです。
ただ、まだ示されていないのは、講演で具体的な実装方法や性能の数字が出るかどうかです。どの方式が実用的になるかは、まだ実証の段階です。次に、こうした講演を聞いた半導体技術者が実際に試作や共同開発に動く動きが見えれば、産業として本格的に動き始めたと言えます。
「Exchange-only方式」は「隣り合う電子同士のやりとりだけで計算の操作を行う方法」という意味です。つまり、量子の専門家でなくても、半導体技術者が自分の技術の延長として量子コンピュータを捉えられる講演だ、ということですね。
今日の3本は、実は1つの流れにはまとまりません。Pasqalは資金と技術の両輪、市場は方向感が分かれただけ、講演は半導体技術者への橋渡しで、それぞれが独立した話です。強いて言えば、資金調達・株価・人材という異なる面から、量子コンピュータが産業として動き始めた時期だと言えます。次に見るべきは、Pasqalの上場後初の四半期報告です。収益の伸びとキャッシュの消費ペースが分かれば、資金の十分さを判断できます。
9月25日の米国市場では、量子コンピュータ関連10銘柄のうち6銘柄が上昇し、平均は+0.55%でした。いちばん上げたのはArqitで+6.40%、いちばん下げたのはXanaduで-2.35%です。
Pasqalの上場後初の四半期報告、収益の伸びと資金の消費ペースの両方が見えるのが楽しみです。今日はこの辺で。明日の夜もこの時間に、クオンタムビューでお会いしましょう。


