今夜もクオンタムビューをお届けします。10月10日です。今日入ってきたニュースは全部で22本。まず手短に全体をご紹介して、そのあと気になったものを詳しく見ていく流れで進めます。
今夜は、研究の成果物が3本、市場と企業の動きが4本、それから国や企業の投資・提携が6本、さらに量子コンピュータの基礎解説が1本という構成でした。ここから詳しく見ていくのは、NVIDIAの10億ドル拠出、富士通のニューメキシコ州での研究センター設立、IonQの量子相互接続の実証、この3本です。
まず、研究の成果物から3本です。オークランド大学、NIST、メリーランド大学などの国際研究チームが、チップに集積した光周波数コムを実証し、Natureに発表しました(オークランド大学、NIST、UMDがオクターブスパニング・チップスケール・マイクロコムをNatureで実証)。QuantinuumとHQSは、42量子ビット上で21スピンのNMRスペクトルを、1,400以上の2量子ビットゲート回路でシミュレーションしました(QuantinuumとHQS、42量子ビット上で21スピンNMRスペクトルを1,400以上の2量子ビットゲート回路でシミュレーション)。156量子ビットの超伝導プロセッサ全体を使い、誤り訂正メモリと論理演算の性能を向上させたとする論文も出ています(重六角格子上の超伝導量子プロセッサにおける誤り訂正メモリと論理演算)。また、量子コンピュータで分子や原子のふるまいを計算する量子化学についての解説記事も公開されました(量子化学とは?)。
次に市場と企業の動きです。10月8日の米国市場では、量子コンピュータ関連10銘柄のうち9銘柄が下落し、平均で5.24%の下落でした(【クオンタムマーケット】10月8日|下落9銘柄、平均-5.24% 5%超安は3銘柄)。10月9日は10銘柄中8銘柄が下落し、平均で1.29%の下落でした(【クオンタムマーケット】10月9日|量子関連10銘柄中8下落、平均-1.29%)。Arqit Quantumは2026年度通期の売上高が97万5,000ドルから100万ドル、前年比で84%から89%の増加となる見込みだと発表しました(Arqit Quantum、2026年度通期の業績速報を発表:売上高は97万5,000~100万ドル、NATO契約を獲得、現金は5,100万ドルに)。
国や企業による投資・提携は6本です。NVIDIAは、米国の科学研究開発を支援するため、今後5年間で10億ドルを拠出すると発表しました(NVIDIA、米国科学振興に10億ドル拠出を発表——量子計算・医療・エネルギー分野で研究開発支援)。富士通はニューメキシコ州と覚書を結び、同州に量子コンピューティング研究センターを設立します(富士通、ニューメキシコ州と提携し量子コンピューティング研究開発センターを設立)。IonQは、イオントラップ量子ビットとダイヤモンド中の量子メモリの間で、毎秒1,032ペアのエンタングルメント生成を実証しました(IonQ、トラップされたイオンとダイヤモンド色心を接続する1kHzメモリ支援型量子相互接続を実証)。NTT DOCOMO BUSINESSは、量子ソフトウェア開発のClassiqと提携し、日本企業向けに量子コンピュータ向けソフトウェア開発プラットフォームを提供します(NTT DOCOMO BUSINESS、Classiqと提携し、日本におけるエンタープライズ量子ソフトウェアの導入を拡大)。フランスのQuoblyとSiPearlは、欧州のARM CPUとシリコンQPUの統合を評価する覚書を締結しました(QuoblyとSiPearl、欧州のARM CPUとシリコン・スピンQPUを統合するための提携を形成)。さらに、Quantum X Labsは、冷原子量子コンピュータ向けの構造化ビーム技術などについて特許出願や開発を発表しました(Quantum X Labs、中性原子ハードウェア、リュードベリセンシング、および回路セキュリティにわたる知的財産と研究開発を拡大)。
その他の動きとしては、米国国立標準技術研究所NISTが、ホワイトハウスの報告書への支持を発表しました(NIST、ホワイトハウスの「科学新黄金時代」報告書への支持を発表——データと標準で米国の技術優位を支援)。アブダビの技術革新研究所TIIは、アラビア語音声認識モデル「Falcon-ASR」を発表しました(TII、アラビア語音声認識モデル「Falcon-ASR」を発表——エミラティ方言に重点)。Ai2はGPUクラスタのスケジューラ改善を発表しました(Ai2、GPUクラスタ向けスケジューラ改善を発表——予算制で優先度を透明化、デバッグ待ち時間を短縮)。OpenAIはロシアとイランに由来する偽装工作組織を特定したと発表しました(OpenAI、ロシア発・イラン発のAI利用偽装工作を阻止——偽シンクタンクと偽ジャーナリスト)。Metaは児童性的搾取対策の追加措置を公表しました(Meta、児童性的搾取対策の追加措置を公表——広告審査にLLM検知やAIレッドチーミングを導入)。量子関連4組織の幹部人事も発表されています(人事ニュース:PQShield、VTT、QuantWare、Rensselaer Polytechnic Instituteにおける戦略的人事)。Moth Quantumの共同創業者へのポッドキャストも公開されました(Moth Quantumの共同創業者、ディレクター、CCOであるHarry Kumarとのポッドキャスト)。
それでは、詳しく見ていく3本です。1本目は、NVIDIAが米国の科学振興のために10億ドルを拠出すると発表した話です。2本目は、富士通がニューメキシコ州に量子コンピューティング研究センターを設立する話です。3本目は、IonQがイオントラップとダイヤモンド色心の間で毎秒1,032ペアのエンタングルメント生成を実証した話です。
まず1本目、NVIDIAの発表です。NVIDIAは、米国の科学研究開発能力を構築するため、今後5年間で10億ドル相当のコミットメントを発表しました。量子計算、医療、エネルギー安全保障など、米国のリーダーシップに重要な分野におけるスーパーインテリジェンス研究開発を支援します。この発表は、ワシントンD.C.で開催された「Science: A New Golden Age」イベントで行われ、米国政府関係者、業界リーダー、科学コミュニティのメンバーが、科学探求を強化するために必要な官民連携について協議しました。
投資内容は、今後5年間、米国全土の科学向けスーパーインテリジェンスと量子計算の推進に10億ドルを拠出するというものです。具体的には、高等教育研究機関への支援、米国の量子リーダーシップ加速への投資、米国政府のミッション要件を強化するクラウドサービスプロバイダーへの支援が含まれます。また、米国科学技術政策局はGenesis Missionの拡大を祝賀し、NVIDIAはその主要な業界パートナーです。イベントで発表されたフェーズ2のGenesis Missionアワードの複数のプロジェクト、量子計算、核融合、加速器設計、マイクロエレクトロニクスにも協力者として名を連ねています。
NVIDIAは20年以上にわたり米国国立研究所と協力してきました。昨年は、米国エネルギー省DOEとGenesis Missionに関するパートナーシップを発表し、アーゴンヌ国立研究所にDOE最大の科学研究用スーパーコンピュータを構築する取り組みを含みます。さらに、アーゴンヌ研究所とロスアラモス国立研究所に7つの新しいシステムを支援しています。NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンセン・ファン氏は、「トランプ大統領のGenesis Missionは、アメリカの発見の新しい黄金時代を開始しています。10億ドルの投資により、NVIDIAは高度なスーパーインテリジェンスをアメリカの科学者の手に渡し、医療、エネルギー、材料におけるブレークスルーを加速させます」と述べています。
ここで、この発表が量子コンピュータの分野でどういう意味を持つのか、整理したいと思います。量子コンピュータは、まだ実用化に向けた研究開発の段階にあります。NVIDIAのような大手が10億ドルを投じることで、研究開発のスピードが上がる可能性があります。また、NVIDIAは量子計算をスーパーインテリジェンスの一部と位置づけています。これは、量子コンピュータを単独で使うのではなく、従来のスーパーコンピュータと組み合わせて使うという考え方です。実際、NVIDIAはアーゴンヌ国立研究所にスーパーコンピュータを構築していますが、そこでは量子コンピュータのシミュレーションも行えるようになっています。
次に、2本目の富士通の発表に移ります。富士通は、ニューメキシコ州と、同州内に量子コンピューティング専門の研究センターを設立するための覚書を締結しました。この研究開発センターは、量子コンピューティングのハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズム設計、理論物理学に焦点を当て、地元の学術機関や国立研究所と連携しながら、人材育成プログラムを拡大し、地域の量子人材パイプラインを構築します。
この協定は、富士通とニューメキシコ州立大学NMSUとの間で、富士通のMONAKAという高性能CPUを中心に確立された既存の研究協力関係を拡張するものです。新しい枠組みの下で、富士通、NMSU、ニューメキシコ大学のQuantum New Mexico Instituteは、従来のHPC、AIアクセラレータ、量子シミュレータを物理的なQPUと組み合わせたハイブリッドコンピューティングワークフローを評価します。これらのハイブリッドアーキテクチャは、化学、材料発見、エネルギー、金融モデリング、物流における計算ワークロードを対象とし、制御、データ準備、エラー軽減、状態検証に従来型スーパーコンピューティングノードを使用します。
ニューメキシコ州は、企業の量子拡張のための1億5,000万ドルの専用マッチング基金や、2019年以降の州の総技術インフラ投資額4億5,000万ドル以上を含む、州レベルの量子イニシアチブを持っています。同州の研究エコシステムには、Sandia National Laboratories、Los Alamos National Laboratory、DARPA Quantum Frontier Project、アルバカーキに新設されたRoadrunner Quantum Labキャンパスが含まれます。このパートナーシップを通じて、富士通は、国立研究所と大学のこの地域的な集積を活用し、フォールトトレラントな量子アルゴリズム設計とシステムレベルのエンジニアリングを前進させることを目指しています。
ここで、先ほどのNVIDIAの発表と合わせて考えたいと思います。両社とも、量子コンピュータを単独で使うのではなく、従来のスーパーコンピュータと組み合わせて使うというハイブリッドアプローチを取っています。量子コンピュータは、まだすべての計算を任せられるほど成熟していません。そこで、得意な計算だけを量子コンピュータにやらせ、残りは従来のコンピュータで処理するというのが、今の主流になりつつある考え方です。
3本目は、IonQの成果です。IonQは、イオントラップ量子ハードウェア開発企業ですが、トラップされた138Ba+イオン量子ビットと、ダイヤモンドナノフォトニックキャビティに埋め込まれた固体シリコン空孔量子メモリ間の、ヘラルド型フォトニック量子相互接続を実証した実機ハードウェアの成果を発表しました。平均エンタングルメントレート1.032kHz、つまり毎秒1,032ベルのペア、状態忠実度87.9%で動作し、このリンクは、これまでに別々の量子ノード間で実証された最速のヘラルド型エンタングルメントレートを表し、従来のイオントラップのベンチマークを4倍上回ります。
ここで、専門用語を説明します。エンタングルメント、日本語では量子もつれとも呼ばれますが、複数の量子ビットの状態が互いに結びつき、片方を測定するともう片方の状態が決まるという性質です。この性質を使うと、離れた場所にある量子ビット同士を結びつけることができます。今回の成果は、イオントラップという方式の量子ビットと、ダイヤモンドの中に作った量子メモリという別の種類の量子デバイスの間で、このエンタングルメントを高速に生成できたというものです。
従来の二光子ヘラルディングネットワークでは、2つの別々のノードからの独立した光子放出がビームスプリッタで同時に検出される必要があり、エンタングルメント生成の成功確率は、試行あたりの光子送達効率に対して2次的にスケーリングします。IonQのメモリ支援型アーキテクチャは、共同二光子干渉を単一光子反射プロトコルに置き換えます。138Ba+イオンから放出された493.5nmの偏光符号化光子は、Sagnac構成の周期分極反転ニオブ酸リチウム結晶内で偏光無依存の量子周波数変換により737.45nmに変換され、続いて偏光を早期および後期のタイムビンにマッピングする非平衡干渉計ベーシス変換器を通過します。タイムビン光子はSiV−ナノフォトニックキャビティで反射され、ダイヤモンドメモリの電子スピン状態を光子に刻印します。対角偏光ベースでの単一反射光子の検出は、エンタングルしたベル状態の生成をヘラルドし、成功確率は光子収集効率に線形にスケーリングします。
つまり、従来の方式では成功確率が2次的に下がっていたのに対し、今回は線形に抑えられたということです。これが、毎秒1,032ペアという高速なエンタングルメント生成を可能にした理由です。
固体メモリ層の産業規模でのスケーリングを小規模な学術用クリーンルームを超えて可能にするため、IonQはElement SixおよびAmazon Web Services、AWSと協力し、ファウンドリ互換のダイヤモンド薄膜製造パイプラインを開発しました。このプラットフォームは、高エネルギーヘリウムイオン注入、グラファイト化層のアンダーカット、ホモエピタキシャル高純度ダイヤモンドオーバーグロース、およびナノ開口部を通したターゲット28Si+イオン注入を組み合わせています。低温金属熱圧着を使用して、ダイヤモンドマイクロメンブレンのアレイは、ほぼ完全な転写収率でシリコンハンドリングチップまたは事前パターニングされた埋め込みコプレーナ導波路基板上に決定的に転写されます。得られたナノフォトニック結晶キャビティは、高いスピン光子協働性と狭いキャビティ共鳴広がりを示し、サブデシベル挿入損失でのパッシブ光ファイバーパッケージングを可能にします。
キロヘルツのエンタングルメントマイルストーンは、イオントラップ、中性原子、および変換された超伝導回路を相互接続できるQPU非依存のネットワーキングファブリックを対象とする、米国国防高等研究計画局DARPAの高速量子相互接続、HARQプログラムの下でのIonQの取り組みを前進させます。商業的には、メモリ強化相互接続ハードウェアは、メリーランド大学QLabへの商用システム導入および韓国SDTへの導入に加えて、IonQによるLightsynq TechnologiesおよびOxford Ionicsの最近の買収に基づいています。
今夜は3本お届けしました。NVIDIAの10億ドル拠出、富士通のニューメキシコ州での研究センター設立、そしてIonQの量子相互接続の実証です。いずれも、量子コンピュータを単独で使うのではなく、既存のコンピュータやネットワークと組み合わせて実用化に近づけようという流れが見えました。
詳しく見ていく1本目です。NVIDIAが、米国の科学研究開発を支援するため、今後5年間で10億ドルを拠出すると発表しました。量子計算、医療、エネルギー安全保障の分野で、スーパーインテリジェンス研究開発を支援します。NVIDIA、米国科学振興に10億ドル拠出を発表——量子計算・医療・エネルギー分野で研究開発支援
久保田さん、今回の10億ドルは、量子コンピュータを既存のスーパーコンピュータと組み合わせて使うハイブリッドな方向性への投資だと受け取ってよいのでしょうか。
はい、その受け取り方でほぼ間違いないと思います。今回の10億ドルは、量子計算を「単独で動かすもの」ではなく、医療やエネルギーといった実際の科学課題を解くための道具の一つとして位置づけています。その中心にあるのが、従来のスーパーコンピュータと量子コンピュータを組み合わせるハイブリッドな使い方です。
実際に変わるのは、量子コンピュータが研究開発の現場で使われる経路が、国レベルで後押しされることです。NVIDIAはすでに国立研究所にスーパーコンピュータを納めており、量子のシミュレーションもできる環境があります。そこに今回の投資が加われば、量子ハードウェアの開発よりも先に「どう使うか」のソフト面が先行して進む可能性があります。
ただ、まだ示されていないのは、この10億ドルのうち具体的にどれだけが量子計算に割り当てられるかです。発表では量子計算、医療、エネルギーと並んでいますが、配分は明らかではありません。次に、特定の研究所やプロジェクトへの具体的な資金配分が公表されれば、方向性がはっきり見えてくると思います。
「ハイブリッドな使い方」という言葉が分かりにくいかもしれませんね。これは、量子コンピュータと従来のコンピュータを一緒に使う、という意味です。つまり、NVIDIAの10億ドル投資は、量子コンピュータを単独で動かすのではなく、既存のスーパーコンピュータと組み合わせて科学課題に使う方向性を後押しする、ということですね。
2本目です。富士通がニューメキシコ州と覚書を結び、同州に量子コンピューティング研究センターを設立します。ハードウェアやソフトウェア、アルゴリズム設計に取り組み、州は企業拡張向けに1億5,000万ドルのマッチング基金を用意します。富士通、ニューメキシコ州と提携し量子コンピューティング研究開発センターを設立
久保田さん、今回の提携は、富士通がすでに持っていたNMSUとの研究協力を州全体の取り組みに広げた形ですが、ニューメキシコ州がこの分野に力を入れてきた背景はどのようなものなのでしょうか。
富士通の発表で変わるのは、ニューメキシコ州が持つ国立研究所や大学の集積を、日本の企業が直接活用できる土台ができることです。特に、従来のスーパーコンピュータと量子コンピュータを組み合わせるハイブリッドな開発を、州の資金援助付きで進められる点が大きいでしょう。まだ示されていないのは、具体的な研究テーマや、いつ頃どんなハードウェアを導入するかという計画です。次に、実際のQPUを組み込んだテストベッドの稼働時期や、具体的な応用分野の発表が出れば、この提携が本格的に動き出すと判断できます。
久保田さんの話の中で分かりにくかったのは「テストベッド」という言葉です。これは、新しい技術を実際の環境で試すための試験設備のことです。
つまり、富士通がニューメキシコ州の研究機関や資金を活用して、従来のスーパーコンピュータと量子コンピュータを組み合わせる開発を進める土台ができる、ということですね。
詳しく見ていく3本目です。IonQが10月9日に発表した成果です。イオントラップ量子ビットと、ダイヤモンドの中に作った量子メモリの間で、毎秒1,032ペアのエンタングルメント生成を実証しました。状態忠実度は87.9%で、従来のイオントラップの記録を4倍上回ります(IonQ、トラップされたイオンとダイヤモンド色心を接続する1kHzメモリ支援型量子相互接続を実証)。
久保田さん、この毎秒1,032ペアという速度は、量子コンピュータ同士をネットワークでつなぐ実用化に向けて、どの程度の前進なのでしょうか。
はい、毎秒1,032ペアというのは、量子コンピュータ同士をネットワークでつなぐ上で、速度の壁を大きく破る成果です。従来は光子の損失でエンタングルメント生成の成功率が試行回数の2乗に比例して下がっていましたが、今回は1乗に抑える方式に変えたことで、4倍の高速化を実現しました。これで、離れた量子ビット同士を結ぶ「量子インターネット」の実用化に向けた大きな一歩です。ただ、まだ示されていないのは、このリンクを複数つなげたときの安定性です。次に、複数ノードをまたいだ実験で同じ速度が維持できることが示されれば、この技術が本格的なネットワーク基盤になると判断できます。
「光子の損失」というのは、光の粒がケーブルの途中で消えてしまい、情報が相手に届かないことを指します。従来はこれが原因で、量子もつれを作る成功率が試行を重ねるごとに急激に下がっていました。
つまり、今回の方式は光の減り方を抑えることで、遠くの量子ビット同士をつなぐ速度を4倍に上げた、ということですね。
今夜の3本を並べて見ると、NVIDIA、富士通、IonQと、規模も手法も違うけれど、向き合っている課題は同じだと思います。いずれも量子コンピュータを単独で動かすのではなく、既存のコンピュータやネットワークと組み合わせて使うことを前提にしています。量子コンピュータがまだ単独では実用化できない現状を認めた上で、どう組み合わせるかに焦点が移っているのが今夜の流れです。
次に注目しておくべきは、こうした提携や投資が実際のシステムとして動き始めたときの成果です。特に、複数の量子コンピュータをつないだ実験で、今夜のIonQの速度が維持できるかどうかが一つの目安になるでしょう。
今日の米国市場では、量子関連10銘柄のうち8銘柄が下落し、平均で1.29%の下落でした。上昇したのはIonQの+1.12%が最大で、下落したのはArqit Quantumの-6.51%が最大でした。
今夜の3本に共通するのは、量子コンピュータを単独で動かすのではなく、既存のコンピュータやネットワークと組み合わせて使う方向性でした。明日の夜もこの時間に、最新の動きをお届けします。




