blueqat news
量子コンピュータ関連銘柄 更新: 10/12 14:30(日本時間)
%は前日比・グラフは直近10営業日の推移 — 株価とニュースの突き合わせ / 業界の関係図
クオンタムビュー

【クオンタムビュー】8月26日|IBM土台・スウェーデン戦略・Xanadu提携前進

要約

今夜は24本のニュースからIBMの冷却容器接続による配線スペース12倍拡大、スウェーデンの国家量子戦略、XanaduとMitsubishi Chemicalの半導体パートナーシップ第2フェーズを詳しく取り上げます。市場動向やHorizon Quantumの値動きもあわせてご紹介。

有沢AI・進行

8月26日のクオンタムビュー、始まります。この24時間に入ってきたニュースは全部で24本です。まずは今日の24本をざっと駆け足でご紹介して、そのあと気になったものを久保田さんと詳しく見ていきたいと思います。

有沢AI・進行

それでは24本、まいります。

まず量子コンピュータのハードウェアに関する研究から3本です。トランスバーサルTゲートを持つ量子符号を刷新——初の「定数レート」構成でマジックステート蒸留オーバーヘッドγ→0を達成という理論面の進展がありました。IBM、量子コンピュータ大規模化への壁に一歩前進では、冷却容器をつなげて配線スペースを最大12倍に広げたと発表されています。長いイオン鎖における二同位体シンパセティック冷却の実証では、23個のイオンを回路の途中でも冷やし続ける手法が示されました。

続いて量子ネットワーク関連です。NISTがSNSPDの幅を100倍拡大することに成功、量子ネットワークとフォトニック製造のボトルネックを解消へでは、単一光子を検出する装置の幅が従来の100倍に広がりました。

ここで量子コンピュータをやさしく解説するコーナーの記事を3本まとめてご紹介します。【対談】量子コンピュータは電力とどう向き合うか―データセンターに置く条件、【寄稿】プロンプトはいらなくなる―自己改善ループが量子アプリを変える、【教えて先生】量子インターネットとは何か―光でもつれを配る仕組みと現在地、そして【教えて先生】量子コンピュータの性能は何で比べる?量子ビット数だけでは分からない理由です。

政策と資金の動きも多く入ってきました。スウェーデン、2036年までの商業的スケーリングと防衛レジリエンス強化に向けた国家量子戦略を正式発表、ニューメキシコ州、地域エコシステム拡大に向けUNM Quantum New Mexico Instituteに300万ドルを配分、米国エネルギー省、高エネルギー物理学量子アウトポストに730万ドルを配分、NSFが8つの量子飛躍チャレンジ研究所に2億9,000万ドルを助成、UChicago QuBBEには3,750万ドルで更新、インドのC-DOT、第43回創立記念日に国産量子製品14種を発表という5本です。

ポスト量子暗号への移行に関する動きも続きました。BIP-361草案、量子脆弱なECDSA/Schnorr署名を段階的に無効化する提案、GSAと財務省、米国連邦・金融インフラ向けにポスト量子暗号の二省庁共同イニシアチブを開始、Sitehop、老朽化したFive Eyes防衛ネットワークを保護する専門の国家安全保障部門を立ち上げの3本です。

企業間の提携と資金調達では、カナダ・日本二国間の資金支援がXanaduとMitsubishi Chemicalの量子半導体パートナーシップを前進させる、Stability AIがシリーズBで7,600万ドル調達、音楽大手3社とEAが新規出資の2本がありました。

そして量子コンピュータ関連銘柄の値動きをまとめた【クオンタムマーケット】8月25日|量子関連9銘柄が反発、Horizon Quantumのみ小幅下落です。

最後に量子分野以外のテック関連ニュースを4本まとめます。NVIDIA、推論を文脈処理とトークン生成に分担する「Groq 3 LPX」の量産開始を発表、Arduinoがボード上でLLMを動かせる新製品「VENTUNO Q」を発表、予約受付を開始、Appleが初の2nm「M6」と4ダイ構成「M5 Ultra」を発表、9月22日発売、Stability AIがシリーズBで7,600万ドル調達、音楽大手3社とEAが新規出資は先ほど触れましたので、残るQwen3.8-Flash-Nextを8月27日公開へ、Qwen4アーキテクチャのMoE、Xiaomiが玄戒O3など自社設計チップ3種を発表、3nm据え置きでCPUコアはArmのIPの2本です。

これで24本すべてです。この中から今夜詳しく見ていくのは、IBMのモジュール式クライオジェニックセルの話、スウェーデンの国家量子戦略、そしてXanaduとMitsubishi Chemicalのパートナーシップの3本です。まずはIBMの発表から入ります。

有沢AI・進行

IBMが発表したモジュール式クライオジェニックセルの接続についてです。冷却容器を複数つなぎ、実際に冷やすことに成功しました。配線を通すスペースは最大12倍に拡大したとのことです。この技術を土台に、2027年までに1,000キュービット級の統合システム、2029年には誤り耐性型量子コンピュータ「Starling」を目指す計画だそうです。久保田さん、この「配線スペースが12倍に広がる」というのは、具体的に何が変わるということなのでしょうか。

久保田AI・解説

一言で言うと、量子ビットを増やすための配線という「渋滞」を緩和する土台ができた、ということです。量子ビットを増やすほど、それぞれに信号を送る配線の本数も増えます。配線を通す隙間が12倍に広がったということは、将来より多くの量子ビットを詰め込める余地ができたと考えられます。ただし今回示されたのは冷却容器同士をつないで冷やせたという物理的な確認までです。つないだ先で量子ビット同士が実際に連携し、計算として動くかどうかはまだ示されていません。2027年に掲げられている1,000キュービット級システムが数字とともに動いて見えたとき、初めてこの一歩の意味がはっきりすると思います。

有沢AI・進行

つまり配線の隙間、つまり量子ビットに信号を送る線を通すためのスペースが広がったことで、将来もっと多くの量子ビットを積める余地ができた、ということですね。ただ実際に計算として動くかはまだこれからなのですね。

有沢AI・進行

詳しく見ていく1本目です。スウェーデン、2036年までの商業的スケーリングと防衛レジリエンス強化に向けた国家量子戦略を正式発表を見ていきます。スウェーデン教育研究省が、2036年までを見据えた国家量子戦略を正式に発表しました。公的機関や重要インフラ事業者には、EUが定める2026年から2030年という移行期限より前倒しで、量子コンピュータでも解読しにくい暗号方式であるポスト量子暗号への移行を義務付けています。久保田さん、この前倒しでの義務化というのは、他国と比べてどのくらい踏み込んだ内容なのでしょうか。

久保田AI・解説

他国との厳密な比較は、この資料からは分かりません。分かるのは、EUが定めた2026年から2030年という移行期限より前倒しで、公的機関と重要インフラ事業者にポスト量子暗号への移行を義務付けた点です。今日はGSAと財務省の取り組みも出ていて、各国で同じ方向の動きが重なっています。まだ示されていないのは、具体的な工程表と、守らなかった場合の扱いです。そこが出て初めて、実効性のある義務化かどうか判断できると思います。

有沢AI・進行

工程表というのは、いつまでに何をするかという具体的な計画表のことですね。つまり、前倒しで義務化するとは決まったものの、実際の進め方や守らなかった場合どうなるかはまだ分かっていない、ということですね。

有沢AI・進行

カナダ・日本二国間の資金支援がXanaduとMitsubishi Chemicalの量子半導体パートナーシップを前進させるを見ていきます。XanaduとMitsubishi Chemicalは8月25日、量子シミュレーションで半導体製造を進める共同研究の第2フェーズを発表しました。カナダのNRC IRAPと日本のSIPが資金を支援し、92エレクトロンボルトの光を使うEUVリソグラフィで生じる電子ブラーという解像度の乱れの解決を目指し、500個未満の量子ビットでのモデル化を目標に掲げています。久保田さん、この「500個未満の量子ビット」という目標値は、現在の量子コンピュータの規模と比べてどのくらい現実的な数字なのでしょうか。

久保田AI・解説

この発表で変わるのは、量子アルゴリズムが実際の産業プロセスに接続され始めた点です。Xanaduの誤り耐性型量子コンピューティング向けアルゴリズムが、Mitsubishi Chemicalの製造モデルに組み込まれる段階に進みました。ただし500個という数字は誤り耐性計算を前提にした量子ビットの割り当てで、先ほどのIBMの1,000キュービット級とは前提が異なり単純比較はできません。実機での検証結果はまだ示されておらず、そこが次の焦点になります。

有沢AI・進行

誤り耐性型量子コンピューティングというのは、計算中の間違いを自動で直しながら動く、より信頼性の高い量子コンピュータの方式のことですね。つまり、Xanaduのアルゴリズムが実際の製造モデルに組み込まれる段階まで進んだものの、実機での検証結果はまだこれから、ということですね。

久保田AI・解説

今日見た3本は、無理に1つの流れにはまとめられないと思います。IBMは装置の土台づくり、スウェーデンは制度の前倒し、Xanaduは産業応用への接続と、進んでいる場所がそれぞれ違います。共通しているのは、どれも「次の実測や実機の結果が出て初めて評価が定まる」段階にあることです。次に見ておくべきは、2027年に向けたIBMの1,000キュービット級システムの具体的な数字だと思います。

有沢AI・進行

最後に市場のご報告です。8月25日の量子コンピュータ関連10銘柄は、9銘柄が上昇し1銘柄が下落、平均は+2.69%でした。最も上昇したのはInfleqtionで+5.98%、唯一下落したのはHorizon Quantumで-0.31%でした。詳しくは【クオンタムマーケット】8月25日|量子関連9銘柄が反発、Horizon Quantumのみ小幅下落をご覧ください。

有沢AI・進行

今夜は装置と制度と産業応用、それぞれの一歩をご紹介しました。明日の夜もこの時間に、クオンタムビューでお会いしましょう。

続きはメールでも受け取れます

新着記事のまとめを、毎日・週1回・月1回から選んでお届けします。 対談と教えて先生の続きも読めるようになります。登録も閲覧も無料です。

ログインしてメール配信を設定